「日本の石でも、香川の庵治石が、最高らしいね!」
「庵治石ですか・・・・・?」久々にこの石材名を聞いたので、聞きなおしちゃいました!
「そうですね!石のダイヤなんて言われて、世界一高い銘石です」
「いいとは聞いたんだけども、幾らくらいから出来るんだね?」
最近では、いきなり値段から聞かれるお客様が増えました。
正直お返事に困ることも多くなりました。
何社も石材店を回られるか、たくさんの石材店の訪問を受けて、説明をお聞きになったお客様に、あれやこれやの説明など、うっとうしいだけですからね!
「ハア!そうですね!和墓なら、中目の庵治で100万ぐらいからおつくり出来ますが、細目(こまめ)と違って、特徴的な斑(ふ)は、見えないですよ!
細目は3倍くらいするものもありますよ!」
「斑・・・?」お客さんのこのお言葉で、(ん?なんか雲行きがおかしいぞ!)徐々にビックビジネスの予感が消えて行きましたね!
「何社か見積もってもらっているけどね!よそは、中国らしいけど、80万以下でつくってくれる返事だったけどね!」
「ハア・・・・・?」状況が、かなり分かってきました。
正直な気持ち、とうとう庵治も相見積もりなのか~って思いましたね!
私達の若かった時は、いつかはクラウンなんて、大きな車に憧れました。
30代後半の時かな?
あこがれだった高級車のセンチュリーやベンツの中古が、若者の改造車の餌食になって、ガッカリした時の事を思い出しましたね!
私も、さすがに庵治石の中国生産の経験がありませんでしたので、「すいません?!僕も中国は直にやっていますので、庵治の中目を持っている所も知っていますが、庵治石の中国加工はやったことが無いので、ごめんなさい?!」出来るなら叶えてあげたいし、僕も仕事は欲しいんですが、他社が色々説明しているだろうし、中国に、庵治石のいい中目があるのを、僕が知らないだけかもしれません!ここは、商売に参加するのを辞退してしまいました。
「ズッルーイ」と言われそうですが、こと庵治石に関しては、中国加工の経験がないので、ハードルが高すぎて、自分では無理だと思いました。
見た事やったことのない事は、やっぱり怖いんですよ!
このお客さん「価格表をみて、こんなに安くつくれるのかと思って連絡しているんですが、庵治石はダメなんですか?」とおっしゃるもんですが、自信の無いものを、ある振りはしたくないんです。
「ごめんなさい!ここは譲りたくない部分なんですよ!
どなたが、庵治の中国加工をすすめられたか知りませんが、値段の高いのがいい石でも無いですよ!
石材情報で石の色や石目を見ながら考えてみてください」と申し上げました。
相見積もりは、自らボッタクリをさけるためには、いい仕組みだと思いますが、みなさん同じ地域で、同じ特約店同士が争うんですよ!
お客さんは、相場がわからないので、契約争いで反則すれすれか、アウトでも売ろうとしている業者がいるのは、いやですね!
傷が多い石をごまかして、メッキが剥がれたら、言うんでしょうね!
「アッ!これいいですね!龍のシッポが浮いてきていますよ!」なんてこんな相談いっぱいあるんですから!
中国材や施工の手抜きでは、相見積りでこれ以上安く出来ない業者が、このお客さん予算だけではなさそうだな~と思った時に、他社と比べられない様に、希少価値の石材に手を付け始めましたかね?
庵治でなくても、日本の石で、石質も優れている天山石、大島石等、綺麗な石はたくさんありますよ!
石材情報や価格表を参考にしてくださいね!
中国にいい庵治石が、行っているんでしょうかね?
次回渡航の宿題にして、必ず調べておきます!
墓石に自信が持てれば、価格のご提案もして行きます。
お客さんに言えなかったので、少しだけウンチクを書きますね!
庵治石という名前が付けば、ほぼ同じ様な石と思われがちですが、もの凄くたくさんの種類があるのです。
ランクや等級があって、中目には特級、上級、細目には極上、特級、上級というランクがあって更に目の細かさや、班(ふ)の浮き具合で値段が変わります。
斑は、良く磨いた石表面に黒雲母が特に緻密に入り、まだら模様の濃淡が出て、二重の絣模様に見えることで、極上とか極極上の細目には、よく見られる現象です。
龍の鱗にたとえて、龍が天に昇って行くようも見えると聞いたこともあります。
庵治石の極上細目は、昔からご成功者がつくられて、高額になってしまったんですかね!
ただ一つの採掘場(丁場)の中でも右と左、上と下では石目模様や色目も微妙に違います。
更に東西南北、上下左右に傷が入っているのをかわして、石目や色目まで合わせたら、1つの美しいお墓を完成させるのに、かなり難しい工程を繰り返して、原石の数%しか使いません!
だからこそ高額で価値があるのが、庵治石の国内加工です。
偉そうに書いていますが、また聞きのウンチクです。
私も今までにおつくりした数は、指で数えるほどです。
ほとんどの石材店が同じだと思いますが、年に1本もつくれないのに、まともに相手なんかしてくれません!
工場だって、取引が頻繁にある会社じゃないと心配ですよ!
いい石で、いい加工して欲しいなら、庵治と直接取引が出来る商社を通して、お願いするしかないです。