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「お掃除に行かなくては!」とお考えになっていても、墓地への距離やお仕事などで、ご無沙汰してしまう方が、多いのでは無いでしょうか?
お盆、正月、春彼岸、秋彼岸等にはお参りが多くなります。
お墓参りの際には、出来るだけ綺麗にしておきたいですが、頑固な汚れのお掃除をすると、大変時間がかかってしまう事があります。
両親のお墓掃除を手伝ったことがあっても、ご自分がする立場になると、こんなに大変なのかと思われるかもしれません。
それでは、お掃除がしやすい様に!汚さない様に汚れの原因のお話しから始めます。
①汚れの原因となる様な事を取り除いて、なるべく汚さない事です。
②掃除しやすい服装で、道具は100円均一で入手できます。
③墓石の掃除は水洗いが基本、長く美しさを保てる様に、
④墓石用の洗剤や、溶剤の使用には注意してください。
⑤業者の利用は、複数の石材店の見積もりを比較です。
墓石の汚れの原因

①大気中の汚染物が雨水などで付着して、水の溜まりやすい部分に、水分が蒸発した後にシミや黒ずみになって表れて来ます。ご相談で一番多いのが、この現象です。何年も放置すると水洗いでは中々取れません!早めなら水洗いで解決できます。
②霊園内樹木の花粉や木の葉は、お墓参りの時に取り除くしかありませんが、墓地を選ぶ時に大きな木の下を選ばない方がいいでしょう。風通しや日当たりが悪い墓所も、カビやコケが生えやすいので、避けた方が良いでしょう。
③お参りの時に飾ったお花を放置すると、花びら等が墓石に付いて変色の原因にもなります。お供えした花なので、飾っておきたいお気持ちは分かりますが、数日内にお花を交換しない場合は、お持ち帰りになった方がいいでしょう。枯れたお花は見栄えが悪く、墓所内に腐敗したニオイがします。
④お供えの食べ物は必ず持って帰るか、その場で頂きましょう。動物が墓所内を荒らし、墓石を破損したり、鳥等のフンがこびりついた所から変色してしまう事があります。
⑤故人が好きだったからと、お酒やジュースをかけるのも、カビや変色の原因になりますのでNGです。放置したビールの缶が錆びて、後が付いてしまったり、ジュースのビンが、風で割れて危険です。
墓石は、雨風や日が当たる場所にありますので、汚れるのは避けられませんが、日頃から少しご注意していただく事で、汚れも少なくお掃除も簡単にして頂けます。
それではお墓の掃除の仕方のお話しをさせて頂きます。
お墓掃除の時期や服装

お墓掃除の時期は、ご自分がお参りされた時にされると 良いのですが、お家の方以外の方のお参りがある時には、予めその前に綺麗にしておくと良いでしょう。
例えば、お盆やお正月、春彼岸、秋彼岸、故人の命日の前などです。
服装は、草むしりをしたり墓石を洗ったりしますので、汚れてもいいラフなスタイルでいいですが、周りの墓所でお参りもありますから、落ち着いた服装がいいでしょう。
お盆の時期は、虫刺されにも注意が必要なので、通気性の良い、肌の露出が少ない服装が理想的です。
お墓掃除の必需品
ホウキ・チリトリ・剪定ばさみ・軍手・ゴミ袋

お墓に手を合わせて、お掃除しますと伝えましょう。
ます墓所内の落ち葉や草取りから始めます。
墓石を先に洗ってしまうと、水に濡れて落ち葉などの掃除がやり難いからです。
墓所内の落ち葉や草取りから始めますが、大きな墓所では、ホウキがあると便利です。
剪定ばさみがあれば素人でも出来ますから、植木があれば剪定しましょう。
大きくなった植木は、隣の墓所まで枝が延びたりして、ご迷惑になります。
大きくなりすぎて、ご自分の手に負えない場合は、業者にお願いしましょう。
ゴミの全ては、ゴミ捨て場に捨てるか、持ち帰りをしましょう。
玉砂利を洗われる光景を目にしますが、苔が生えたり、草や落ち葉が混ざって、中々綺麗になりません!
汚れの強い玉砂利は、ホームセンター等で、買い替えをされるのも方法です。
バケツ・雑巾・スポンジ・タオル・歯ブラシ・パイプブラシ・軍手

墓所内が綺麗になったら、墓石を上から順に綺麗にして行きます。
始めに、ステンレスの花筒、線香皿等は取り外しが可能です。
(墓石に取り付けてあるタイプは、そのまま洗います)
線香皿の燃えカスを捨てて、スポンジで洗いますが、花筒は中が深いので、柄のついたブラシか出来ればスポンジを使用すると、筒底の水垢も綺麗に出来て便利です。
注意して頂きたいのが、水鉢、花立ての隅には、汚れが溜まりやすいのです。
これらは固定されていませんので、動かして掃除をしますが、持ち上げないで、ずらして掃除すると良いでしょう。
どうしても持ち上げて移動したい場合は、古くなったタオル等を用意して、その上に置くと良いでしょう。
石と石をあてると破損する可能性があります。
元に戻す時も、ゆっくり慎重に置きましょう。
お墓(墓石)の掃除は、水洗いして頂くだけで綺麗に保てます。
水洗いには墓石を傷つけない様に、柔らかい布かスポンジを使用してください。
綺麗な濡れタオルで汚れを取り、タオルで乾拭きをしますが、最初に水洗いで砂などを柔らかい布で洗い落とします。
表面に付いた砂が残っていると、拭いたときに墓石を傷つけてしまうからです。
本磨きで磨き上げられた墓石はツルツルですが、傷がついた箇所 から傷んできます。
金属の付いたものや研磨剤の入ったものは、使用しない様にしましょう。細かい彫刻部分は歯ブラシで、綺麗に出来ます。
水洗いをした後は、乾いた布で吹きあげて、水分を取ってください。
お掃除の便利グッズは、100円均一で購入できるものばかりです。
季節で、夏には虫よけスプレー・日焼け止め・帽子・熱中症対策の飲み物があると良いでしょう。
寒い冬には、ナイロンの手袋を準備されると良いでしょう。
注意
メラミンスポンジは、汚れを落としてくれますが、汚れを削って落とす研磨剤の様な物です。艶が削ることで無くなってしまいますので、新しい墓石には使用しない事をお薦めします。
墓石・掃除を簡単にするコツ
軍手を有効に使用しましょう。
軍手をはめて、コケやその付着物をドンドン剥がしていきます。
そのまま水に濡らして、墓石を洗って行きます。
彫刻の溝も、指で擦れば、かなり綺麗になります。
指の入らない部分は歯ブラシや、柄の付いたスポンジで洗い流すことが出来ます。
軍手を二枚重ねて使用する、雑巾のように扱えますので、ミルミル奇麗になります。

難しく注意が必要な掃除
スクレパーやカッターナイフの使用

頑固な水垢は中々水洗いでは落ちない物です。
カッターナイフの刃で削るのは、手をケガしますので危険です。
スクレパーが市販されていますので、墓石を傷つけない様に削ってから磨いてください。
金属製ではなくカーボン製のヘラが、墓石を傷つけ難く、コケやカビを落とすことも出来るのでお薦めです。
ホームセンターなら数百円で購入できます。
墓石用洗剤の使用

家庭用の洗剤はNGです。
市販で墓石の水垢用やコケ、カビ用の洗剤がありますが、使用には注意が必要です。
石材によって変色する場合があり、効果が強いものほど危険です。
石材の種類や汚れ内容で、使用する洗剤を変えて行かなくてはなりません!
業者でも目立たない箇所で確かめた上で使用したり、手磨きのみで対応する石材があります。
使用された後は、十分なソーピング(洗浄)が必要です。
石には細孔と言う小さな隙間があり、水と一緒に入りこんだ物が残って変色の原因を起こしているのですが、墓石用洗剤をよく洗い落として無いと、ここに残った洗剤が長時間放置される事で、シミや艶落ちの原因になります。
水場が離れていると、運ぶだけでも大変ですから、洗剤を使わないで水洗いするのが一番です。
エフロレッセンス(白華現象)の落とし方
墓石から白い鍾乳石の様な物が噴き出て来て、美観を損ねてしまうのがエフロです。

コンクリートから発生する炭酸カルシウムですが、早い段階ならナイロンのブラシでふき取ることが出来ます。
多少頑固な場合でも、ホームセンターなどで市販されているエフロ除去スプレーとナイロンブラシでふき取ることが出来ます。
アルカリ性なので、山西洗剤を用いられる場合がありますが、石を傷めますのでお薦めできません!
何度除去しても噴き出て来る重症なエフロは、プロに相談しましょう。
サビ取り
石は鉄分を含んでいます。墓地の環境や墓石の施工方法などで、錆が出やすくなってしまいます。
また、墓石の上に放置された金属から、錆が移るケースもあります。
サビは専用の薬剤を使用しますが、返って墓石を傷める事がありますので、業者に相談した方がいいでしょう。
費用を抑えるには、ホームセンターで錆取り剤が売っていますが、墓石の目立たない部分で試してからご使用ください。
また使用後は水で十分に洗い落としてください。
高圧洗浄機の使用

高圧洗浄機をご使用の場合は、接着していない部材にご注意ください。
私たち石材店は、短時間で簡単な洗浄が出来ますので、納骨のお手伝いに伺った際のサービスとして洗浄機を使用することがあります。
ご自分の洗浄機を使用されて、花立てを破損されたお客様がおいでになりましたが、花立て、香炉、水鉢などは接着されていません!ご注意ください。
防草対策

お墓掃除に行くと、草むしりが面倒なものです。
遠隔地からのお墓参りでは、育ってしまった雑草を抜くのが大変で、除草剤をまかれたりされる方も多いです。
防草対策としては、砂利を敷き詰めたり、防草土を入れても草が生えるのを完全に止めることは出来ません。
墓所に防草シートを貼る、コンクリートを流し込む等の方法がありますが、防草シートは10年位で傷んできます。
コンクリートは長く有効ですが、墓所内に水が溜またない様に、水抜きを付けた方がいいですね!
撥水コーティング
お墓は、頑固な汚れになる前に、水洗いでお掃除して頂くのが一番です。
でも慌ただしく過ごす日常で、頻繁にお墓の掃除には中々行けないものです。
コーティングは、主に墓石の光沢を維持して綺麗に保ち、ペイントや目地の劣化を防ぎ、掃除をしやすくする為に行われます。
紫外線から保護してくれ、色あせを防いで光沢を保ってくれます。
土ぼこり、動物のフン、木の葉の汚れが落としやすい効果があります。
お掃除はしやすいですが、効果があるのが2年位です。
コーティングの種類には、ガラスコーティング・光触媒コーティング・シリコンコーティング・セラミックコーティングがあります。
市販のコーティングも販売されていますので、ご自分でコーティングすることも可能です。
業者にお願いする場合、 お墓を建てた最初のコーティングは費用が少なめですが、既に建った墓石のコーティングは、現地まで行かなければなりませんので割高です。
まとめ
墓石の掃除は水吹きが一番で、どうしても落ちない頑固な汚れは、業者に相談するのも良いでしょう。
石材店で金額が大きく違いますから、相見積もりをする様にしてください。
遠方にお墓があったり、お仕事で忙しくて、中々お掃除に行けない方の為に、簡単なお掃除の代行を引き受けてくれるサービスがある様です。
専門の業者で無ければ落ちない様な、頑固な汚れで無ければ、このサービスでも良いのでは無いでしょうか?
定期的な契約なら、かなりお値打ちになる様です。