墓石を安くつくるには?社長の給料も安いからでしょう!
やっと涼しくなりましたが、今年は4月の終わりぐらいから暑い日が続いて、もう10月になります。
「日本は半年間夏に、なってしまったのか?」と一人でボヤイテいたら、ボヤキ仲間の社長が、いつもの様に副社長を連れて、事務所にやってきました。
珍しく事務所に、それも突然ですから、石材サンプルだらけで、上がってもらう場所もありません!
「何じゃこれは?こんな集めてどうするのや?」
「各工場のブロックが違うし、お客さんに頼まれて送ってあげる石とかですよ!マッ!とにかくショールームか喫茶店でも行きましょうよ!なんで・・?いるってわかったんですか?」
「朝、スパーでカップラーメンの箱買いをされているのを見られていますよ!お義父さんに言ったら顔を見に行ってこようかな?と・・・」
「アンタ、ラーメンばっかり食っとったら、体壊すで・・・!」
「あ・れ・は、カップ焼きそば!」
「どっちでもええて!だからいい加減に嫁をやね~!」
「その話はもういいですって!ところで今日は?」
「聞こえとるぞ!アンタ絶好調らしいな!」
「誰がそんな事言っているんです?」
「中国からや!また行ったらしいな!」
「あれはクンナム探し!」
クンナムの件についても、状況を聞きたかったようです。
いま中国には偽物ばかりで、本物が無い事や、現在認可が下りて採掘されている新たらしい1丁場も、石の良し悪しがハッキリしていないので、様子をみた方がいいと話しをしました。
聞いているだけで4件ほどのヒビの話があるので、全国では大変な数かもしれません!
無くなりそうになると、在庫が一気に動き、偽物が横行するのが石の怖いところです。
「ところで、この間の安いラインは、儲かっとるのか?」
「ほ~ら来た!ワザワザのご訪問は、それですか?あの値段ですよ!工場と職人さん!う~ん・・・?それと物流会社の為に仕事しているようなものやね!」
「あんな価格でよく続きますね!」と副社長が聞きました。
「元々薄利だもん!僕の会社は、拘ってつくるお客さんが多いですから、安くつくりたいお客様ばっかりでは無いですね!予算で 諦めていたけれども、○○のデザインで、インパラブルーにするといくらですか?M1Hでいくらになりますか?デザインをこうしてもらうと、ヤッパリ高くなりますか?とおたずねが多いですかね!同じ予算なら、綺麗な石だとか実績のある石がいい訳ですよ!」
「嬉しそうやないか?そんでもよくあの値で出したな!」
「そんなに聞きたいなら、安くつくる方法を教えてあげましょうか?社長が365日働いて、100時間のサービス残業なんぞ当ったり前!そんでもって、従業員より給料を取らん事やね!」
「そんな話は、聞きと~無い!」
アルコールも入っていないのに、いつも通りの会話になってしまいます。
「少し早いけどいつもの所に行きましょうか?」と副社長が気を使うと、「すまん!自分は用があるから、今日は副社長と行ってくれよ!アンタのおごりでな!」と、トットト帰ってしまいました。
「忙しい人やな~」
「なにも無いと思いますよ!お義父さん自分がいると、僕が話しづらいと遠慮したんじゃ無いですか?ネットの相談なので!」
「そうか、ネットの話になると、蚊帳の外になってしまうからな!ジャ!チクットやりながら話でもしますか?」
マジな話みたいで、気がすすまない様なので、そのままショールームで、缶コーヒーにしました。
相談は、店売りが落ちているので、ネットを初めて、HP作製会社やSEOの業者に投資をしたようです。
熱くなっていたのでしょうね!あれはお金がかかる割には効果がありません。
見積もり依頼はあるのに、全く注文が取れない。
価格をもっと安くすれば売れるのか?これ以上安くするには、倍以上売ら無いといけない!なんて難しい相談でした。
ここからは長くなりますので、会話そのものでなく、お話しした内容をかいつまんでブログにしますね!
どうしても現在の商売の形に、はめようとするから難しいのです。
確かにネットのお客様は、対面販売では無いので、何をお考えなのか分からりません!
駆け引きばかりで、不安に感じるかもしれませんが、お客さんもこちらの顔が見えないわけです。
テレビで散々「お同じ部屋なら安い方がいいですよね!」なんて言っていますが、同じ部屋なら!同じ墓石なら!比較して安い方で購入した方がいいに決まっています。
裁判所にあるビーナスは、目隠しをして天秤を持ち、正義を乗せてはかると言われていますが、ネットのお客さんも同じだと思います。
価格をはかり、品質をはかり、サービスをはかるのです。
お客様の天秤は、どちらがいいお墓か?自分に合ったお墓はどちらか?を比べているのです。
お客様にとっての想いが、安さだけと絶対に勘違いしないことです。
安売り合戦をしているみなさんは、下げて行った価格には、限度がある事に、いつになったら気が付くのでしょうか?
最近では、地元で大手だと言われる石材店の展示場にも、目玉商品的な墓石が並ぶようになって来ました。
しかし未だに過去の経営方針が抜け切れていないままの老舗石材店が、売り上げの為に安売りに参入すれば、限度を超えて粗悪品を扱うしかありません。
質を譲らずに墓石を安くするには、薄利で販売できる会社にするしかありません!
今や中間マージンや紹介料を削るのは、当たり前です。
事務所が家賃の高い地域にあり、大きな展示場を持っていれば、経費かかかる分高く売るしかありません!
だからって、価格競争のために、石の質を落として、強度を無視して、石材使用量を抑えて、加工や施工で手抜きして、原価を落とすなんて、信じて任してくれる人を騙すのなんて最低の行為です。
一番簡単な方法は、人件費を減らすことです。
最初に社長が安月給で365日24時間働く事です。
仕事をしてない人間が、高給取りではいけません。
社長の奥さんが、名ばかりの常務で高給を取っていては、安くは売れません!
日本全国で墓石の形も、納骨形式も、施工方法も、供養の仕方も全く違います。
石屋でしか出来ない仕事を全てやって、お客様で出来る事はやってもらう事で販売価格を下げることが出来ます。
例えば、霊園提出書類(申請書や図面)を作成して、提出するだけなら、郵送かお客様に届けてもらえばいいのです。
もちろん霊園に説明が必要な場合は、石材店が行うということです。
仏事に石材店の立ち合いを希望されるお客様と、必要ないとおっしゃるお客様がおいでになります。
必要でないお客様にとって、無料サービスが付いている墓石より、その分安くしてもらった方がいいですよね!
石屋の仕事は、いい石でいい墓石をつくることです。
地域で違う常識とか慣例にとらわれずに、ご要望があれば有料で対応すればいいのです。
(全国回って分かりましたが、バラバラでこれを含めたら価格表なんて出来ません)
開眼供養や納骨に2万円かかっても、霊園申請に2万円かかっても、必要なお客様にだけオプションで見積もればいいのです。
しっかり作ってあれば、天災でも無ければ壊れません!
コーキングのメンテナンス費用等少額です。
知らん顔するのはもっての外ですが、ご依頼があれば、すぐ近くの提携店に連絡して、対応してもらえばいいのでは無いでしょうか?
それよりも100万円の墓石が、70万円で購入できた方がいいのでは無いでしようか?
今回、副社長には、こちらから沢山の質問をしました。
「売上のために競合他社を意識して、安くつくることばかりを考えていませんか?お客様の目線で考えた事がありますか?古い慣習やしきたりを変えてはいけないと思っていませんか?昔からやっているからと、無駄だと気付いていても、進んで改善しようとしていないのでは無いですか?今お客様に薦めているサービスは本当に必要ですか?惰性で続けているだけの仕事ならやめてしまって、その分本当に必要なお墓づくりに専念しませんか?いい墓石を求めて、産地や工場を回りませんか?メールでも、ラインでも、もちろん電話でも、お客様と会話しませんか?他社を意識するより、お客様の欲しい物を感じることが出来ませんか?等々!
年を重ねるごとに、意地悪というか?くどくなると嫌われますので、これくらいでやめときます。
時間がある時には、若い石屋さんのブログを楽しみに拝見しています。
1976年生まれか~!自分が20年若かったらと想ったりしますが、羨ましくはないです。
私にも同じ年代が、同じだけあったわけですからね!
これからも悔いのないお墓づくりを「もう!いいか?」と思える時まで頑張ります。
私はジイなので、非常識なことを言っているなんて、何を言われても平気ですが、お墓という文化を継承し未来を担ってくれる若者が、遠慮することなくドンドン自由に発言して欲しいと願っています。