石で騙されないための基礎知識(緑、赤、青、グレー編)

STONE STORY

(投稿日) (最終更新日)

近年、外国産の御影石でグレー、グリーン、ピンク、赤、ブルー等のカラフルな石材が墓石に使われるようになり、ご自分だけのオリジナル墓石をおつくりになる方が大変増えました。

ここでは、カラフルな石の中でも、比較的多く使用されている石材の注意点のご説明をします。

同じ丁場(採掘場)でも、場所、深さ、時期で石目や色目が違うのが自然の石なのです。

カラフルな墓石をおつくりになる時に、絶対妥協してはいけないのが、「サンプルはこれですが、墓石は送られてきた木箱を開けてみないとわかりません」なんて石材店からは、絶対買わないことです。

石種によっては、石目の大きさや色目が違いやすく、出来上がりのイメージが全く違うこともあるのです。

お客さんはカラーや石目を気に入って石選びをされているわけですから、おつくりする石に出来上がった墓石が、選ばれた色や石目の違うということは、出来るだけ避けたいものです。

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墓石が届いてみないと分からないのは、石材商社に丸投げで何にも管理していないということです。

石材店の殆どは、石材商社を通して墓石の仕入れをしています。

商社に頼めば入手が出来るはずですが、めんどくさいのか?素人が見ても分からないと思っているのか?何件もの商社を、仕入れで相見積もりを取っているので、何処に頼むか分からない。

送ってきたサンプルと違う墓石が出来上がって来た時に、リスクを負うのが嫌なのか?ですね!保険をかけたい気持ちも分かりますが、少しは努力しましょうよ!

緑系

さて、本題に入りますが、緑系の石と言えば、皆さんM1Hをはじめとするインド材のMシリーズをお考えになりますが、それぞれ丁場(採掘場)で石目や色が大きく変わります。

M1Hでも緑の細目、中目、黒と大きく分かれますが、石目や紋様も大きく違います。

サンプルをご覧になって、お気に入りの石材を選んでください。

どれもM1Hサンプルです。

M1H 比較

またMシリーズ以外にもY1、SR、RYO、インド山崎等がありますが、どれも若干の流れがあります。

見た目では、流れが感じられない位の石を、お選びしています。

緑系のインド材は沢山ありますが、インドグリーンとして一纏めの説明をする石材店もある様です。

名前が違えば、性質も全く違う石です。

流れがわかりますか?

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緑系の石で最も注意が必要なのは、中国材のG670を初めとする緑の石です。

G670

中国材の緑の石は、緑色が醒め易いのでご注意ください。

出来上がりは綺麗な緑なのですが、比較的早くグレーに近くなって来ます。

原石代金も大きく違いませんから、緑系の石お求めなら、インド材をお勧めします。

近年、高級感もあり、黒系御影石としては、リーズナブルで、出来栄えもするから人気が出ているのがインド山崎、インド黒山崎です。

インド山崎の丁場の黒い部分だけを採って来たインド黒山崎は、真っ黒はというお客様には、求めやすい価格で人気です。

売れると情報が入ると、競って扱いますので、困ったことに偽物が出回って来ます。

色調がよく似た石が採掘されると、何でもインド山崎の名前で販売されます。

現在では、細目、中目で全く石目の違う石がインド山崎、黒山崎で流通しています。

丁場の位置が何十キロも離れていますので、名前が同じでも違う石です。

インド山崎

インド山崎、インド黒山崎と薦められたら、現物のサンプルを確認してください。

私の会社では、サンプルを取り寄せて、何処で採掘されたかを確認しますが、返答を出来る工場は少ないです。

石材市場のバイヤーに確認しても、分からないこともあります。

出所の分からない石は扱わないのが無難です。

分かっている石でも、既に加工してトラブルがなかったブロックがあれば、その石で加工をお願いするようにしています。

赤系

赤い御影石と言えば、ニューインペリアルレッド、アメリカンピンク、マルチカラーレッド、カパオボニート等がありますが、何と言っても赤の代表的な石材は、ニューインペリアルレッドでしょう。

その赤い石は、墓石が出来上がると、墓所の中で大変存在感があります。

このインペリアルレッドは、丁場の左右、原石の上下で色や石目が全く違います。

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真っ赤を想像していたのに、出来上がったら、なんかピンクっぽいなんてよくある事です。

これも現地検品や画像検品で確認して、工場に伝えればいいんです。

どれもニューインペリアルレッドのサンプルです。

インペリアルレッド 比較

石目や色の違いがわかりますか?

最近では、ピンク色にも見えるニューインペリアルレッドの、お墓を見ることがあります。

お客様が、その色を選ばれたのならいいのですが、綺麗な石であればあるほど、色の違いにご注意ください!

一つの墓石で、違う石目、色目の石が混在すると、目立ちますので注意が必要です。

青系

ブルー系の石と言えば、ブルーパールやエメラルドパールがあります。

貝殻の化石で、出来上がりは大変美しいのですが、3年~5年位で経年変化が進みブルーの結晶が醒めてきます。

美しい石の宿命ですかね!

墓地で何年か経過した墓石をご覧になることをお勧めします。

ブルーの結晶と言えば、みなさん大好きで、大変人気があるのがインパラブルーです。

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南アフリカ産の高級石材で、黒っぽい石の中にブルーチップ(結晶)が輝くのが特徴の墓石で、ブルーチップの入っていない石種はラステンバーグと呼ばれます。

丁場で石目の細かい、荒い、黒い、グレー等の違いがありますが、みなさん最も気にされるのが、ブルーのチップの大きさや数です。

ブルーの結晶の大きさが大きい原石と小さい原石がありますが、金額的には若干しか違いませんので、みなさん大きな結晶を選ばれます。

ここで金額が大きく違っている石材店はボッタクっていますね!

このブルーの結晶ですが、年を経るごとに小さく、チップの数が減ってきています。

石材店にどれ位の大きさの結晶がどれ位入っているかの確認をされるといいでしょう。

当社では、現在の原石で20センチ四方のサンプルを作成してお客様にお見せしています。

小さなサンプルでは、わかりません。

結晶の多いサンプルを見せられたらそれまでです。

更にこの石材は、結晶に石目がありますから、縦でよく結晶が出ていても横はあまり出ませんので、加工の際に注意が必要な石材です。

インパラブルー

普通のサンプルと20センチ四方のサンプルです。

この中で幾つ大きな結晶が入っているかで、原石を選んでいます。

ブルーチップが綺麗に見える、黒い石がお薦めです。

グレー系

グレーの石材ですが、安価で高級感があるので、石材店に勧められてよく建てられているのが、G654系(中国福建省)です。

G654 平和

この石材は原石にナデという白い線が入っています。

石の原価がリーズナブルの割には、グレーで高級感がありますので、安くおつくりになりたい方には人気の石です。

ナデをかわし切れないので、ゴマカシテある事が多く、早ければ三か月、大体一年くらいで白い線が浮いてきます。

石材の強度としては問題がないので、竿石(一番上で家名などを刻む石)の正面や、目立つ部分に出ていなければ、歩留まりとお客様のご予算を考えて、検査を通すしかありません!

当社では、予めお客様にご説明をして、販売をする様にしています。

白い線がお嫌の方は、G654の長泰細目が出ませんが、小さな黒玉が出ます。

若干金額が上がりますが、山西省産出の北大青やG618がお薦めです。

ナデは、日本の石にもあり、入っていても割れるようなことはありません!

この石に関して、ナデでは割れませんが、急激な温度の変化で割れる事案がありましたので、寒冷地などでの、建立には注意が必要です。

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G654の原石と墓石に出たナデです。

DSCN0269

TJ-1191-SH香炉上部白帯あり

関西で人気のある中国黒竜江省の通称黒龍石にもよく出ます。

 

DSCN4230

 

インド材のグレーで人気なのは、アーバングレーとインド銀河です。

インド銀河は、ZMFとANAの2色ありZMFがブルー銀河と呼ばれています。

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石目も色も丁場で違いますので、確認された方がいいですね。

本銀河(ANA)の方が品質も安定しています。

最もポピュラーで高品質で安価なのが、アーバングレーです。

インド材が高品質だと言われるのは、クンナムをはじめとする黒御影とこのアーバングレーの品質が大きいと思います。

青い石(青目)は経年変化が少なく高品質だと言われますが、更に透明感のある水晶の原石を扱うのがベストです。

アーバンに関しては、人気があるために価格の競争が激しくて、何ランクものアーバンが市場に出ています。

赤いものは、鉄分を含み錆が出る可能性があり、節だらけの石も出ている始末です。

アーバングレー比較

何種類かのアーバンです。同じアーバンでも違うのが、比べてみるとわかりますよね!

更に最近では、アーバン青とか、新アーバンと言う新石種が出てきていますが、アーバンとは全く別物です。

許容範囲かとも思うんですが、当社の扱う青目のアーバンと比べると、若干の白い部分を感じています。

仕入れ原価がアーバンと大きく違わないので、当面はアーバンを扱って2~3年様子をみて、他社で問題なければ、新アーバンも扱おうかと思います。

5ドルぐらいの原価の違いなら実績のある安全な方がいいですからね!

当社の販売価格は、新アーバンと同じ金額で販売しています。

新アーバン

アーバンと新アーバンです。

左の青目のアーバンと比べると、右の新アーバンでは、青さも透明感も落ちますが、一般的に販売されているアーバンと比べると青く感じます。

お客様が青目を希望されると、これをお持ちになる石材店もありますが、実績も経年変化も分かっているアーバングレー(MD5)ではありません!

カルナータカ州のバラレイ近郊の産出です。

アーバングレーもインド銀河も実績があって、安心できる石材ですが、それだけに心無い石材店や商社が、価格の競争や利益を上げるために、粗悪品を売るための餌食にし始めています。MD6もMD9もMDと付いていても、全く別の石です。

価格も大きく違いませんので、実績のあるMD5をお薦めします。

MD5にしただけで、価格が大きく様であれば、他の石材店に変わった方が賢明です。

サンプルや見せながら、説明をしてくれる石材店から購入しましょう。

マルチカラー系

最後に石目というか、紋様の大きくてどんな模様になるかわからない石のご説明をします。

マハマブルー、マルチカラーレッド、オリーブグリーン等ですが、何といってもマハマブルーが人気ですかね!

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ブルーと紫が混ざり合ったような紋様で同じ模様が出ることは無いので、オリジナルのお墓が作れるんですが、どんな柄が出るかわからないのがいいのですが、施主さんにしてみれば、赤紫が強くでたり、大きな節のような部分が正面に出るのは、やはり嫌なものです。

この判断は、個人差のある妥協点なので、出来るだけ私の検品に合わせておつくりしています。

判断に困った時は、もう一パーツ作って画像を施主さんに送って選んでもらっています。

もちろん費用は当社が負担しています。

やっぱり喜んでもらって、ありがとうの一言が欲しいですからね!

マハマブルーの画像です。

同じものを2つ作りました。

TJ-1193-SH バハマブル確認

「いやーそれは難しいんですよ!」とは簡単に言えますが、それではプロじゃないですよね!口先だけの販売員です。

石は自然の物なので、どれだけ頑張っても難しいですが、一手間、二手間かければ少しでも満足していただける墓石が作れます。

探せばご希望に近い石も必ず見つかります。

色や石目にも拘りたいお客様!ご満足していただける墓石を、おつくりになっていただける様に、お手伝いさせて頂きます。

お気軽にご連絡ください。

インパラブルーの墓石をお求めなら、ご相談ください!

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