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御影石は、お墓に使われる石として広く知られていますが、御影石と呼ばれる墓石の種類は沢山あって、国産とか中国産等といった表現では石種が分かりません!
御影石は、花崗岩をはじめとする深成岩で硬い石ですが、御影だから大丈夫では無いのです。
水を吸ったり錆びたりして、変色する石もあるのです。
「お墓を建てて2年目なのですが、出来た時と比べると全く色が違ってきているので石材店に話をしたのですが、自然の物だからこれくらいは仕方がないですと言われました。どうしても納得できないので見てもらいたいんですが?」
「お建てになった石材店さんが、いるわけですから、私が拝見して石材店とお話をするわけにはまいりませんが、せっかくお電話していただいたので、どんな石でおつくりになりましたか?」
「御影石です」
「御影石にも、色々な種類が有って、其々名前が付いているのですが、お聞きなまりましたか?」
「中国の御影石と聞いています」
「中国の御影石ですか?Gの何番とか、お聞きになりませんでしたか?」
「・・・・?」
何とも申し訳なかったんですが、お返事のしようがありませんでした。
「水を吸いやすい石もありますが、御影石であれば、石の強度が著しく悪くて崩れるようなことはありませんのでご心配いりませんよ!
周りのお墓と比べて著しく変色が進んでいるのなら、建てられた石材店に、お家の墓石だけが特に変わっている事を、お話しされてはどうですか?」とお返事しました。
石材店が「これ位は!」とか「自然の物ですから」なんて言っている様では、逃げ切りたいと思っているに違いありませんので、交渉してやってくれるでしょうか・・・?
皆さん御影石と聞いただけで安心してしまうのかもしれませんね!
昔は、堆積岩(砂岩)でお墓がつくられていましたので、黒っぽくなって来てポロポロ崩れてきている墓石を、ご覧になったことは無いでしょうか?
現在つくられている墓石の殆どが御影石ですから、簡単に壊れることはありません!
近年墓石に求められる品質は、壊れないのは当たり前で、変色しない事も求められます。
簡単に御影石についてお話しますね!
元々の御影石は、神戸の東灘区の御影町で採掘された花崗岩のことを御影石と言いました。
現在では深成岩の全てを御影石として販売されていますからどんな石でつくられているのか全く分かりません。
御影町の花崗岩は、本御影として区別されていますが、もう入手は不可能です。
閉山になって随分経過していることと、今や国立公園の中ですから採掘なんかできません!
今や世界中の深成岩を御影石と言いますから、何百種類にもなって、私でも知らない石が沢山あります。
例えば、中国の石材には、必ずG-・・・の番号が付いています。Gはグレナイト(花崗岩)のことです。
番号 | 地域 | 主な石種 |
---|---|---|
G-1~ | 湖北省 | G-130 |
G-2~ | 江西省 | G-219 |
G-3~ | 山東省 | G-130/G-354 |
G-4~ | 江東省 | G-435 |
G-5~ | 江西省 | G-562 |
G-6~ | 福建省 | G-623/G-603/G-654 |
G-17~ | 東北 | G-1704/G1791/G-1792 |
G-94~ | 湖南省 | G-9426/G-9425 |
黒龍江省 | 黒龍石/K-12 | |
山西省 | 山西黒/北大黒/北大青 | |
河北省 | 河北山崎/万年青/雪花青 |
代表的な石種を載せましたが、番号で確認できる石種か、誰もがわかる石種が、実績や性質もわかって安心です。
日本の石、インド、南アフリカ、ヨーロッパその他世界中の石には名前がついています。
ネットで検索して、名前が出てこなければ、その石は買わないというよりその石材店から買わないことです。それが昔からの老舗の石材店でも、信じてはいけません!
好意的に見れば専門家だと思われている石材店が全く何も知らなくて、石材商社に薦められるままに、売っているのが殆どです。
悪意で見れば、素材の説明をしていない訳ですから、詐欺に近い商売です。
あるいは、石材名が分かってしまうと、他社と見積もりで比べられるのを嫌ったりするからです。ボッタクリがバレますからね!
+
また安くても実績の無い石材(採れたばかりの石は、安いですが、経年変化がわかっていません)を使っている可能性が大きいからです。
業者間の取引をしなくてはなりませんので、どんな石にも、誰でも分かる名前が必ず付いています。
国産御影石とか日本の石なんて表現は、インチキです。
ちなみに墓石に使用されている日本の石で、本小松石は高級石材ですが安山岩、大谷石は凝灰岩で御影石ではありません!経年変化が激しく、壊れやすいです。
石材名を載せていないチラシや店頭の表示に騙されない様にしてください。