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強度を無視した地上納骨型墓石!反則図面の見分け方!

最近では、お見積もりのご依頼で、他社図面を送って頂けるお客様も多くて、あらためて図面作成をしなくてもいいので、大変助かるのですが、見積もりを出すにも、当社ではとても作れない図面が増えて来ています。

なんとか墓石の形に積み上げても、ボンドで貼って、仮止めの様な施工しか出来ない図面には困ったものです。

おつくり出来ないのに、お見積もりのしようが無いのです。

地上カロートは、水が流れ込まない構造で、大きくて立派に見えますが、その分強度重視の構造にしなければなりません!

お客様が了解して頂いたら、図面を作り直して、お見積もりをさせて頂いています。

強度無視で安売り販売をしている墓石と、強度を保っておつくりしたお見積もりと比べてどうでしょうかね!

図面を比較してご覧になってから、お近くの霊園で墓石をご覧になっては如何でしょうか?

修正した部分の部材が、どれ位の厚みなのかをご覧になれば、お分かりになると思います。

後はお客様に決めてもらう事にしています。

究極に安いメリットで壊れるリスクのある墓石か?強度を保ちながら、価格を抑えた墓石の2択です。

価格の競争をやり続けていては、最後にたどり着くのが、強度を無視した墓石の、安売り販売なのです。

ボッタクリに遭わないためにも、墓石の価格相場を知るためにも、相見積もりは大切です。

まず金額が他社よりかなり高い石材店は、適正価格では無いので、無条件で外してください。

ここまでは相見積もりが大変有効ですが、価格だけで墓石を決めてしまうのは危険です。

大体の相場がお分かりになった次に大切なのが、その墓石に価格に値する価値があるかどうかなのです。

売り上げの低迷している石材店の為に、安売り競争に参加できるように、石材商社が石材使用量を削った図面の提案をしている様です。

石の量が少なくなれば、確かに原価が下がりますから安く売れます。

地上カロートの墓石は、納骨室部分に空間が出来て、比較的大きく見えます。

見えない部分で、構造や石材の強度を無視した図面がつくられている様です。

削られていても、建築や土木をやっている方以外では、墓石の図面を見せられて、構造や石材強度の分かるお客様はマズいないですね!

簡単に画像や図面でご説明をいたします。

九州型地上カロート墓石の画像です。

この墓石のカロート(納骨室)の壁面図面がこうなっている場合

外から見えない部分で、思いっきり削ってある図面です。

石柱に差し込まれている石板が3センチの厚みしかありません!

この厚さでは、ボンド以外の施工方法しかありません!

考えられる施工方法は、石が差し込まれた部分に楔を打ち込んで行きます。

そうすれば、一時的には締まりますから、建て上げる事が可能です。

隙間をボンドで埋めて、ハイ出来上がりです。

ボンドの有効接着年数は、15年位とも言われていますが、それ以下の年数でもはがれている事があります。

ボンドが弱くなってくると楔が緩んでくるので、ガタガタしてきます。

墓石のお掃除をされている時に、崩れるかもしれない可能性を想像したら、怖くないですか?

ボンドの効果が弱くなっても、崩れないくらいの施工はしたいものです。

例えば、ステンレスのコーナー金具で固定する為には、ある程度の大きさがあるアンカーボルトを打ち込みますから、最低8センチの厚みが必要です。

都立霊園等、関東地区では、12センチ~15センチの厚みの墓石が多いですが、耐震や免振の施工技術も進歩してきていますので、ここまでの厚みが無くても大丈夫です。

新しい墓石ではもう少し厚みが薄い墓石も増えて来ましたが、3センチとか4センチの図面を見るのは、最近になってからです。

最近のボンド性能は良いですが、10年位経過した頃から徐々に劣化してきます。15年も経過して、事故が起きても、石屋は知らん顔で修理代を請求してきます。

大きな墓石だと、建て直しの費用は莫大です。

この様な大きさで、柱の様なデザインをご希望の場合、私は一枚の石板を柱の様に削って、壁板でおつくりしています。

重い墓石を支えるには、柱では無く厚い石板で支えて強度と耐震性を保ちます。

もう一か所、見なくてはいけないのが、カロート上部の天板の厚みです。

上に重い墓石が乗りますから、出来れば10センチの厚みが欲しいです。

山の上の様な難所以外では、天板は1枚石で作らなければなりません!

条件の良い平地なのに、2枚になっている墓石を見かけますが、何年か経過してボンドが劣化して来た時に、ご遺骨の上から雨漏りがする事になってしまいます。

注意するポイント

  • 墓石の相見積もりは、同じ図面、同じ大きさ、同じ施工で比べる。
  • 石材店から、図面修正の要望が有ったら要注意。
  • 部材が多ければ多い程壊れやすい。
  • 霊園を観に行って、不審に感じた事は複数社に問い合わせる。
  • 貼り石は、墓石が乗ら無いので、3センチ~2センチでも大丈夫。
  • ベンチなどは、人が座るので頑丈に。

お墓は、故人とご家族が、重ねて過ごした時を想い、お参りされる空間を、心を込めておつくりになる物です。

墓石は、お客様の為につくります!石屋の売り上げ競争や、儲けの為につくる物ではありません!

もちろん利益は頂きますが、労働の対価として、頂けばいいのです。

そう考えれば、こんな姑息な図面にしなくても安く売れます。

石屋の心意気と言うかプライドは、何処かに出払ってしまったのでしょうかね!

石屋は石を相手に仕事をしていますが、実はお客さんに向き合って仕事をしなくてはならないと思います。決して競合する石材店の価格に向き合って仕事をするべきでは無いのです。

私は、安く売れる努力はしますが、自分が不安になるものをつくる事は出来ません!

質を落とさず、手間を惜しまず、泥臭くても、慎重にお墓づくりをして行こうと思います。

正月があっという間に来て、また年を取ってしまいました。

今年もボヤキが止まりません!

爺なのでお許しください。

建て上げ初めは、2月の多磨霊園からスタートします。

関東も関西も伺いますので、みなさんお気軽にご連絡ください。

インパラブルーの墓石をお求めなら、ご相談ください!

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