国内加工の墓石値段(価格)は、石と誰がつくるのかで違います。
最近、国産石の国内加工がご希望のお問い合わせが増えました。
先日も大島石の国内加工をご希望で、お見積もりのご依頼がありました。
何処かでつくってもらったのでしょうね!
墓石の図面を送ってこられて、相見積もりをご希望でした。
ご希望の大島石特級でお見積もりをしてお返事をすると「天目取りをして、HPの様な耐震施工や基礎工事をしてもらっての見積もりですか?」と尋ねられたので、天目取りをして、特級の産地証明に加工証明、尺基礎や耐震施工は標準仕様で、見積もりに入っていますとご説明をしました。
すると今度は「磨きは、しっかりしてもらえますか?」と尋ねられ、何社も問い合わせや、訪問をしていらっしゃるのが感じられました。
「白系ですので2000番研磨ぐらいまでかけますが、艶持ちのいい様、丁寧に磨かせていただきます」とお返事させていただきました。
「あの~!こんな事を聞くと失礼だと思いますが、一番高い見積もりの半分以下なのですが、どうしてですか?」と丁寧に言われたと思いますが、一瞬お返事に困って、間が空いてしまったと思います。
国内加工の場合、何処からご説明した方がいいのか?頭の中で整理が付きませんでしたね!
「あの!名工といわれるような方に、加工して頂くのがご希望ですか?」とお尋ねすると、そこまでは考えていないとおっしゃったので、価格の違いのご説明をさせて頂きました。
今回の図面では、直線的なカクモノ加工なので、比較的低価格でおつくり出来ました。
ヤクモノ加工と言われる丸いデザインや、複雑な加工が必要であれば、加工賃が大きく変わってきます。
カクモノ加工、ヤクモノ加工については、墓石を国内加工するメリットと安く作る方法を参考にされてください。
図面があれば、石材使用量が分かりますから、価格の比較が出来そうですが、簡単では無いのが国内加工です。
このところ国内加工のご相談が増えたので、今回は、国内加工の金額の違いについてお話しします。
国内加工をご希望なら、予算がありそうなお客様なので、どの石材店も売りたい訳です。
我こそが最高の大島石で、匠の石工職人が丹精込めて加工しますと営業されます。
丹精込めてと言われても、素人さんに違いが見分けられるものではありません!
天目取りや磨き、基礎工事等、会社の墓石がどれだけ素晴らしいかと説明をして、「それがしていないと後々困ったことになりますよ!」と不安を植え付けるわけです。
国産材の国内加工の価格の仕組みは、海外の加工に比べて大変複雑です。
お客様へのご説明を思い出しながら、まとめてみました。
国内加工をご希望の想いにはお客様それぞれで違います。
「日本の銘石でつくりたい!」「故郷の石でつくってあげたい!」「日本の職人さんにつくってもらいたい!」等の理由は様々ですが、みなさん気になるのは価格ですよね!
国産材の国内加工では、同じ大きさの墓石で、70万でおつくり出来るケースもあれば、私の会社がつくっても、150万になってしまうケースがあります。
口の達者な営業なら、70万の価値の墓石をセールストークだけで、150万で販売することなどは、容易な世界なのです。
ほとんどの場合、石材店の営業の表現の仕方しだいです。
お近くに産地があれば、工場さんに直接行かれても、受けてくれることがあります。
日本の場合、海外の様な大きな工場では無くて、産地では職人さんが営業している家内工業的な所が多い訳で、腕は良くても営業は今一つかもしれません!
口下手な職人さんの代わりに、国内加工の価格の仕組みのご説明をしますね!
今回大島石でのお見積もりでしたので、大島石でご説明をします。
どの石と比べるかで印象が違いますが、大島石の場合は、白系で吸水率も低く無いです。
ただこの石は水を吐くと言って、水が抜ける様につくることが出来ます。
その手法が天目を通すと言います。
石目も分かりやすいので、この石の場合、天目取りは必須です。
(天山石などの様に、中目で石目も分かりにくく吸水率も低い石は、費用対効果を考えて、石目を通さない場合もあります)
大島石の場合、石のランクとして、特級、一級、カレイ、二等の他にも一級の二割引きで取引される二割という等級があったりして、大変複雑です。
同じ特級の大島石でも、採掘される丁場と会社で石目や色が違って価格も違います。
更に分かりにくくしているのが、それぞれの会社で、特級等のランク付けをして、販売されてしまうからです。
「それでは何を信用すればいいのか?」とみなさん考えられるでしょう。
私の場合は、大島石を専門に加工している工場が取り扱っている特級の中から、お客様に、お好きな石目の石選んでもらう様にしています。
何故ここで大島石専門工場かというと、日本の職人なら、国産材全てを熟知している訳では無いからです。
石の違いの例ですが、医師免許を持っていれば、一通りの医学知識があっても、整形外科の先生が消化器の事は専門外です。
整形の中でも関節の専門や脊椎の専門に分かれていて、専門の治療が受けられるわけですが、大島石には大島石を知り尽くした職人さんがいる訳です。
庵治石、真壁石、稲田石、天山石等それぞれに、専門に扱っている職人さんがいますので、そこで加工をお願いすれば安心です。
私も訪問する度に産地で教えてもらいましたが、その石の専門の石工さんには遠く及びません!
あの人たちが黒御影を観ても分から無いのと同じです。
石選びの話はこれくらいにして、加工のお話しをさせて頂きます。
国内加工でも全ての工程を同じ工場でつくる場合と、磨きや、彫刻を別の工場で分業する場合があります。
墓石の加工の工程ごとに専門職がいるケースです。
もちろんこのケースでも、責任者が加工証明をしてくれます。
もう一つは、卓越した技術の職人さんが、一つの墓石をつくってくれるケースです。
これが出来る職人さんは、後継者不足で大変少なくなりました。
存じ上げている職人さんも、何度も金尺で確かめながら削って行くのですが、出来上がりもミリ単位で合わせて、アールも手で確かめながら、肌感覚で合わせて行く仕事です。
自然の石ですから、削っている最中に、気にいらない物が出てくるわけですよ!
そこで気力というか、緊張感が切れてしまうのでしょうね!
魚釣りに出かけてしまう人がいますね!
時間を置いて、緊張感を取り戻して最初からやり直してくれるのですが、ここまでして作ってくれる墓石は、本当に、丹精込められていますわ!
私の価値観ですが、誰につくってもらうかで、墓石の価値は変わるのが国内加工ですかね!
私は孫が大好きなので、回っている寿司しか行きませんが、寿司の名店で、沢山のお弟子さんがいて、○○さんという名のたった一人の人に握ってもらうために、何度も通う方もいると言いますが、これは価値観の違いです。
特別な職人さんにつくってもらう墓石と、価格を抑えた墓石が同じであるはずはありません!
でも、想いが同じであればいいお墓です。
どんなご予算でも、どんな思いでも、精一杯おつくりするのが、石屋の心意気ですよね!
余談になりますが、大島石の天目取りは中国でも可能です。
中国に輸出された大島石を墓石として輸入するのでは無く、日本の会社の中国工場へ大島を委託加工すれば、複雑な加工でも天目取りをしてもらって、コストを抑えておつくりすることが可能です。
墓石にはいろんな作り方がありますので、お気軽にお問い合わせください。
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