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お墓をどこでつくるのか?ご検討される場合、墓石をご覧になりたいと思われるはずです。
墓石の並んでいる石材店、仏壇店、現在では葬儀社の斎場に墓石の展示場が設けられています。
始めて墓石をおつくりになる方にとって、お付き合いのある石材店などありませんから、お寺さんに紹介をお願いする事もあるでしょう。
昔は石材店の前を通ると、チンカン、チンカンと石を斫る音が聞こえたものですが、現在では、殆どの石材店でその音を聞く事はありません!
何故なら作っていないからです。昔からの石材店では、錆びついた機械が置いてあって、石の欠片が地面に落ちています。
あたかも作っているように見せていますが、並んでいる墓石の殆どは中国加工です。
1990年ですから30年前になりますか?本格的に中国生産が開始されました。
小さめの墓石なら、横浜や神戸に荷揚げして通関する時に、安い石なら1万円台でした。
物流費や施工代はかかりますが、そんな物はしれたもので、100万円で売れる訳ですから笑いが止まらない一時期があったのです。
何にもしなくても墓石の加工が出来て儲かる訳ですから、クソエライ思いをして加工等しなくなります。
もちろん塵肺で苦労するような仕事で、後継者が育ってくる訳がありません。
施工は施工の専門業者、追加の名彫りも専門業者に委託して、自分は何もしないで、左うちわの商売が出来るようになってしまったのです。
儲かった!クルーザーでも買ったろうかな?
儲かるなら沢山仕事が欲しい!
お寺さん、葬儀社、仏壇店のマージンを払い、石材店同士が競って抱え込みに入った時代がありました。
お寺さんは別ですが、葬儀社や仏壇店は、「何もしなくてそんなに儲かるなら」と、我も我もと始めてしまったのが、葬儀社や仏壇店に墓石が並んでいる理由です。
現在は、他の業種からの参入で販売競争が激しくなり、中国からの輸入コストが著しく上がりました。
消費者も相見積もりを取るようになったので、以前の様な利益を上げることが出来なくなりました。
相見積もりなら、品質なんか知った事じゃない!
安ければいいので反則し放題の墓石をつくらせます。
このお客さんは良いお客さんだと思ったら、取れるだけの利益を取る販売競争をしているのが殆どの石材店です。
こだわりの墓石をつくり続けている石屋さんは、本当に一握りです。分業の工場有っても、墓石をつくり上げる事の出来る職人さんは、業者の私でも何名も存じ上げない位ですね!
お近くの石材店はどうでしょうか?
石を削ったり磨いたりしていらっしゃるでしょうか?
ご覧になっている画像が、大口径と言って72インチ以上の石材切断機です。
もう少し小さな中口径もありますが、これが回ってない石材店は作っていません。
石材工場の集積地は、茨城県真壁市、香川県庵治町、愛知県岡崎市が三大石工産地ですが、最大の岡崎でも、大口径が回っているのは、5台くらいです。
国産墓石を一部の石材店が加工していますが、今や日本の石も多くを中国へ運んで、加工した物を輸入しています。
90%が中国で、それ以上だとも言われています。
その他を日本、インドとベトナムでの生産です。
みなさんが専門家だと思っている石材店のほとんどは、加工を商社任せで、価格を下げての販売競争をしているのが現状です。
中国の石材加工工場に直接製作を依頼して、品質維持のために、現地駐在や検品のための渡航までしている石材店は100件に1件あるでしょうか?
石材商社に任せっきりで、どんな処でつくっているのかもわからないお店がほとんどです。
お店に行くと、「お任せください!」「良いものをおつくりいたします!」「ご安心ください!」などの言葉です。
しかし、現在のお墓の流通経路では、石材店も仏壇店も葬儀社も含むほとんどの墓石取扱い業者は、お客様からご注文のお墓を、中国のどの工場で、どのランクでつくらせるかを選ぶことはできません。
なぜ、そんな無責任なことが、言えるんでしょう。
何故なら、本当のことを話したら、みなさん心配で買えないからです。
みなさまが選んだ業者が、大手の石材店であろうが、老舗の石材店であろうが、直接貿易をするノウハウがなければ、中国のどこの工場で製品をつくらせるのかを決めるのは、その石材店ではなく「石材商社」です。
墓石の設計図も商社や中国の工場のCADで作成しているところがほとんどです。
お墓は想いでおつくりになるものです。
高かろうが、安かろうが、想いがこもったお墓をお参りして頂くのが大切では無いでしょうか?
初めてなので分からないからと、石材店に丸投げをすると、商社と施工業者に丸投げされます。
彼らは販売をする専門家で、モノづくりの専門家では無くなってしまった販売店なのです。
HPで少しだけ学ばれて、丸投げされない様にいいお墓をお値打ちにおつくりください。