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お墓は、電化製品や車と違って何度も買うものではありません!
電化製品の様に、製造番号があり、同じ商品を値段だけで比べて購入するという事が出来ないのです。
何故なら、墓地の広さや、選ぶ墓石の大きさ、石種によって値段が違うために、比較することが出来ません。
その事が、高いのか?安いのか?値段が大変分かりにくい物にしてしまっています。
同じ墓石でも石材店で販売価格が大きく違います。
同じ石材でもランクがあり、極上、特級、一級などで区別されていますが、私たち石材店でもわからないことがよくあります。
関西では一級でも、関東では特級で売られている事などザラにあります。
施工の違いもありますが、最も大きく違うのが石材店の利益です。
利益率が20%~80%の違いがある様に感じる事もあります。
高すぎるだろー!もう少し常識的な販売をしたらどうかと思うこともよくあります。
「予算がありそうだったし、別に値段はあって無い物だからいいじゃないか!100万円のお墓は100万円で、同じお墓でも200万円で売ったお墓は200万円なのだから」と何の疑問も感じないのです。
何故なら、今までずっとそうして来たから・・・!
売れた値段が相場なのだから!
昔から墓石はその地域の石材店が建立していて、他の地域の石材店と比べることが無かったために、その地域の相場はその地域の石材店が決めていました。
「お墓は、家電や車の様に安くしたって、リピーターになってもらえる訳では無い!
売れる時に、出来るだけ利益を取らないと!」が、常識の様なお店がまだまだあるのです。
これだけ情報が豊富に入手できるようになって、いくら老舗だからってこんな事は許されないと思うのですが、ネットを扱えない方も多く、未だに言われたままの金額で、多少の値引きで満足してお求めになる方が多いです。
何社かに相見積もりを依頼されれば、常識を超えた値段で買うことは避けられますから、ボッタクリをされない為の相見積もりは有効だと思います。
相見積もりの際に注意するポイント!
相見積もりをする時には、必ず墓地の広さ、墓石の大きさ、石種、施工の仕様、保証等は同じ条件で見積もってもらってください。
相見積もりは入札と同じです。
正しい相見積もりをするためには、墓石の図面、石種、施工の仕様が同じであることが、最低限度必要な条件です。
条件が同じであれば、誰でも安い方がいいのですが、値段だけに気をとられて、墓石の大きさ(石材使用量)を同じにしないと、構造上で大きく手抜きされてしまう事があります。
相手は百戦錬磨の強者ばかりですから、スキを見つけてお客様を騙してでも、他社を出し抜こうとする連中が多くいます。
近年、特に多いのが、見た目は同じ大きさでも、見えない部分で強度を無視して、石材使用量を醜く削ってある墓石をよく見かけます。
墓石の本体部分で、8センチ以下の厚みしかない部材は、ボンドだけの施工が多いです。
相見積もり後の再交渉は絶対危険です!
再交渉とは、最も安かった石材店の金額を、入札で負けた石材店か他の石材店で、再見積もりしてもらうことです。
再見積もりを頼まれた石材店は、シメタと想うでしょう。
「このお客は値段しか見ていないから、トコトン値段を下げて他社を出し抜けば売れる!」と考える訳です。
金額を教えたらもう入札ではありません!
石材店に、他所は幾らだ!幾らだ!と伝えれば、見積もるたびに、魔法の様に価格が下がります。
石材店も仕事が欲しければ、そこに売っている石材商社も、仕事が欲しい訳です。
安い所から買うからの連鎖が、工場まで行ってしまう訳です。
何故なら、石材店は仕事が欲しい、原価を抑えたいが利益は確保したい。
誰だって損してまで仕事をしませんからね!
先ずは図面上の強度や構造を無視しても、コストを抑えにかかります。
工場も買値を叩かれるわけですから、取りかえをしていたら採算が合いません!
施工業者も日当まで削られては、資材も削って短時間で施工してきます。
業者間の相見積もり合戦で、品質等そっちのけのゴマカシ加工に、手抜き施工になってしまいます。
こうなってしまうと最初と同じお墓では無くなっています。
お墓は、建築基準法の様な物はありません!
つくっている時に立ち会っても、初めてお墓を建てる方に分かるはずもありません。
薬漬けにしてゴマカシタ部分が、2~3年後に分かっても、納骨が済んでしまっている事でしょう。
同じお墓なら安く欲しい!
でもお墓が粗悪品になっては、安くても意味がありません!
そんな事をするくらいなら、最初に安かった石材店に、もう少し予算を抑える方法を相談した方がいいでしょう。
競争の中で価格が決まって行くのはいいことですが、同じ予算なら少しでもいいお墓をつくっていただける様に、比較サイト等の紹介業者以外の石材店との相見積もりをご使用ください。
石材店(墓石店)の選び方に、石材店のタイプ、相見積もりも仕方、見積書の内容を見る時の注意等、ご説明がしてございますので、ご参考にしてください。