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地蔵菩薩(お地蔵さん)は、子供のころからお寺や墓地、公園や街角、時には銭湯の入り口、個人宅等でも見かけることがありました。
関西では、町内で年に一度、7月の24日は地蔵盆という縁日が開かれて、馴染みの深い身近な存在です。
地蔵菩薩とは
地蔵菩薩は、インド生まれで、サンスクリット語では、クシティ・ガルバと言います。
クシティは「大地」、ガルバは「胎内」の意味で、訳して「地蔵」です。
釈迦の入滅後、5億7600万年後か56億7000万年後に弥勒菩薩が降臨するまでの期間に、現世から仏が不在になります。
その間、六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)に現れ、大きな慈悲の心で、人々を救済する役割の菩薩です。
地蔵菩薩は、閻魔大王の本地仏で、その化身ともいわれ、一度でも地蔵菩薩に手を合わせると人々の罪業を滅し成仏させるとか、苦しみに応じて姿を変え、身代わりとなって地獄の苦しみから救い、生きる事の手助けをしてくれる存在です。
姿は出家僧の姿で、蓮華、錫杖、香炉、幢、数珠、宝珠等を持っています。
人々の苦難を身代わりとなり、特に子供の守護尊とされる事から「子安地蔵」と呼ばれて、関西での地蔵盆は子供の祭りとして扱われています。
六地蔵とは
日本では、村や町内の境界に守護神、道祖神として、地蔵菩薩の像を6体並べて祀られたりします。
葬儀場や寺院、お墓の入り口に建てられることも多く、旅立ちをして生まれ変わろうとも、地蔵菩薩によって、六道から救われるという意味で建立されます。
お墓のお地蔵様
お墓にお地蔵様があるのは、多くが子供や水子(みずこ・すいし)の成仏や冥福を願って、建てられているものです。
この世に生を受けるはずだったのに、流産などで生を受けられなかった赤ちゃんや子供に対して、冥福や成仏を願って建てられます。
親より先に死ぬと、親を悲しませて親不孝をしたことから、三途の川を渡れず、賽の河原で鬼にいじめられている子供を守って、成仏に導いてくれるのがお地蔵様と言う事で、お墓に建てられます。
お地蔵様が建てられる方角は、西方浄土のある西や黄泉の国に近い北に向けて、故人を悪い物から守るために建てられることが多いです。