「墓石の磨きについて、聞きたいのですが?」
「掃除する時の磨きですか?それとも加工の磨きの事ですか?」とお聞きすると、墓石をつくる時の研磨だとおっしゃいました。
このご相談者は、私のブログやHPをよく読んで頂いている様で、他社に3000番の本磨きを相談されたそうです。
「そんな3000番で磨いても、費用ばかりかかるだけです。そんなもの3年も経ったら、区別が付かなくなるから一緒です」と石材店に言われてしまったそうです。
こんな事言われたら、せっかくいいお墓を作ろうと意気込んでいたのに、何を信用して良いのか?誰を信用して良いものか?
心配になりますよね!
今、石材店で一番多いのが、磨きなんか素人に分かるはずが無い!
お客さんは値段しか見てないから、質が伴わなくても安い方が売れる!と言った考え方です。
磨くか?磨かないか?は、それぞれ考え方が違いますが、安売り合戦の為に、3年も経てば区別が付かなくなるとして、間違った事を平気で言うのは如何な物でしょうか?
磨いてあるか無いかで、違いはハッキリ出てきます。
出来上がったばかりは、バフ仕上げで艶出しをしてあったり、発色剤が塗ってあるので、艶がある様に見えるのです。
納骨が済んで、発色剤が徐々に落ちてきて、バフで熱をかけた効果が無くなって来ますが、2年も経てばクレームにならないだろうと高を括っているのです。
それと隣の墓所に、同じ時期に建てられた同じ石種の墓石が無ければ、比較する事も難しいので、まず大丈夫と思っているのでしょう。
硬い石の場合、磨けば磨くほど艶が出て、艶持ちも長く続くので、研磨された訳で、決して無駄な事がされて来たのでは無いのです。
400番でバフをかけて艶出しする事に比べれば、800番1500番.3000番と3回余分に磨くだけなのです。
1回の磨きが才単価2ドルと考えれば、18才の尺角墓石で、36ドルですから3回で108ドルです。
現在のレートが136円と考えれば、14688円です。
この金額が必要だと考えるかどうか?これはお客様次第です。
私の会社では、長く綺麗な墓石でいて欲しいと考えていますので、磨くようにしています。
口頭でご説明をしても、中々お分かりにならないと考えましたので、サンプルを2枚並べて写真を撮って、ラインでお送りしました。
その時の画像がこれです。
片方が若干白くないですか?
この石は、インド産のニューインペリアルレッドです。
霊園の中でも、大変存在感の有る赤くて硬い石です。
この石は、原石ごとに全く色が違いますから、確認のために、頻繁に見本を送ってもらいます。
白くなっているのが2年前のサンプルです。
色と石目の確認サンプルですから、あまり磨いていないので、経年劣化が早いのです。
墓石の全体が白くなってくれば、分かりにくいですが、10年も経過すれば、もっと違いが出てきます。
加工の段階で、一番手抜きがしやすいのが磨きです。3
000番まで磨いてもらえば申し分ありませんが、最低1500番の研磨があった方が、艶持ちはするでしょうね!
丁寧に手間暇かけた磨きは、区別が付きます。
同じではありません!