「エフロレッセンス(白華現象)ですね~!どうしようかな・・・?」
お墓から白い塊が噴き出てきて、何度か石材店に直してもらったが、同じなので何とかならないかとご相談を受けました。
お話しからエフロレッセンスだとはわかっていましたが、拝見すると見事に遊離石灰が飛び出ていました。
「これは出て来るんですよね!このお墓つくられた石材店さんに、修理して頂いたんですよね!何か言っていらっしゃいましたか?」
「仕方が無いとしか言わないし、何度頼んでも一緒なので、あんなところもう頼まん!」と御冠でした。
削り取ってから、拭いてコーキングをやり直してくれたようですが、何度も連絡すると、いい顔をしなくなったそうです。
「お墓が出来上がってからでは、費用がかかって大事になりますから、私も削り取ってエフロの保護剤を使っておきます。拝見したところ白い塊だけです。見た目は悪いですが、お墓か壊れる様な深刻なものではありませんので、ご心配は要りません!」とご説明をしました。
どうしても気になる様で、直すには幾らかかるのか?とおたずねでした。
「貼り石も全て外して、現在のコンクリートを削る必要があります。
混和吸水防止剤を混ぜたコンクリートに入れ替えれば、抑えることが出来るかもしれません!そこまでしても、絶対はありません!壊して建て直すようなものなので、やめた方がいいです。
錆が一緒に出て来ていると、鉄筋が腐食しているかもしれないので心配ですが、大丈夫ですよ!
この保護剤で、少し抑えることが出来るかもしれないので、様子を見て頂けませんか?」とお願いをしました。
気になるんでしょうね!その削る道具と薬は高いのか?と聞かれました。
「このスクレパーは、ホームセンターで千円ぐらいだし、薬もこれくらいなら2千円位です。とにかく様子を見てください!」とお話しました。
おかしな工事をしたんじゃないか?と聞かれましたが、エフロレッセンスは、予防をしていても避けられない事があると、ご説明をしておきました。
今回拝見した墓地の隣が大きな工場で、日陰で日照時間にも短いと考えられ、地盤も水を含んで悪条件が重なっていました。
どのような構造で施工方なのかがポイントになりますが、出来てしまったお墓ではそれを知る事は出来ません!
ここから先は、少しマニュアックなお話になります。
遊離石灰と言うのは、コンクリート内の水酸化カルシウムが、上手く結合できなくて、単体で残ってしまうことがあります。
それが雨水などの水位と結合して、ひび割れや弱い部分から滲みだしてくると考えてください。
それが空気に含まれる炭酸ガスと結合して炭酸カルシウムになります。
そして水が蒸発すると結晶になって、コンクリート表面が白くなったり、時には鍾乳洞の様な白い塊が、噴き出たようになってしまう状態が、エフロレッセンス(白華現象)です。
このあたりは、石屋のジイの得意分野では無いので、メーカーの人の受け売りを思い出し、カタログを見て思い出しながら書いています。
比較的早めにエフロが出るのが一次白華です。
コンクリートの表面だけで、エフロが終わるといいのですが、経時的に水と水酸化カルシウムが反応し続ける二次白華が嫌な現象です。
取り除いても内部からドンドンエフロが出て来ることですが、永い間続くとコンクリート内部の鉄筋を腐食することがあるからです。
エフロは隙間とか弱い部分から出てきますから、石の内部に入りこむことも考えられますから、墓石にとってもいい現象ではありません!
通り一遍の説明をしましたが、エフロに関しては、現在有効な手段は無いです。
発生率を抑えるには、いくつか方法がありますが、中々難しいことが多いです。
雨の日に工事しないのは当たり前ですが、湿度の高い時や気温が低い時には工事をしない。
猛暑日にはクラックが出来安いので工事をしない。
そうしてしまうとお盆、正月、春彼岸、秋彼岸のお墓参りの期間は、工事を遠慮する訳ですから、一年を通じて工事の期間が限定されてしまいます。
それでは地域的な風習やお家のご事情で、いつまでにお墓を建てて欲しいというご要望に、応えられなくなってしまいます。
硬くて強い御影石をお選びいただくのが理想的ですが、ご予算がある事ですからそうも言っていられません!
山間に出来た墓地などは、日照時間が極端に短いです。
日当たりのいい墓所がいいに決まっていますが、お家から近くてお参りに行きやすい距離となると、中々条件に合うところは少ないです。
防草目的だけなら、貼り石にしなくても方法はありますが、デザイン的に貼り石にしたいとなると、何とか想いを叶えて上げたいものです。
墓地事情は石屋では何ともなりません!エフロを出来るだけ防ぐには、ケースバイケースで、出にくい構造や資材と混和吸水防止剤(白華防止剤)を使用するしか無いのが現状です。
夏季には、コンクリート流動化剤の使用で、強度を上げたりもしていますが、使ったことの無い石材店からは、「そこまでするの?」と言われたりしています。
価格を抑えてあげたいが、後々困った顔も見たくないので、過剰品質だと言われるかもしれませんが、最小限の費用で出来る方法は採用する様にして、お客様のご要望に応える様にしたいと思っています。
とにかく石屋が無い知恵絞って、情報集めて、頑張るしか無いってことですね!
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