インパラブルーの結晶が大きくて多い原石を探しに出かけました。
私のブログをご覧のお客様からお電話でした。
「インパラキングと言う石があるそうなんですが、ブルーの結晶が大粒で数の多いインパラブルーを探しています。」
「そうですか!それでは近日中国ですから大きそうなサンプルを切って来ましょうかね!」
私も簡単に引き受けたんですが、現地へ行って、結晶の大きそうな原石からサンプルを切って磨いてくれないかと頼みました。
持ってきてもらったんですが、ブルーのチップが小さいので、
「これカットする方向が間違っているとおもいます。これではお客さんに見せられないので取り直してくれないかな?」と伝えると
「間違っていないです。これが多い方です」と言うではありませんか!
インパラブルーは、墓石の正面に結晶が出ると、墓石の上から見ると結晶があまり出ない特徴がありますから、取り違えたのかと思いました。
このところインド材と国産材のご注文ばかりが多くて、アフリカ材の扱いが少なかったので、インパラブルーのチップがこんなに少なくなっているとは思いませんでした。
実は年々結晶の大きさと数が減ってきているそうで、以前の様な大粒を探すのは難しくなってきているようです。
そうは言ってもお客さんは、ブルーのチップが欲しいわけで、それからは何社か工場を回って、カットしては磨いてもらい、カットしては磨いてもらって、なんとか大きそうな原石に当たりました。
帰国してサンプルをお持ちしたんですが、他社が持ってきたサンプルを拝見すると同じ位の結晶が入っていました。
ただお話をお聞きすると「その石材店は、サンプルはこれですが、現物は出来上がって日本に入って開けてみないとわかりません!」と説明をしたそうです。
石材店は現地で探して来ているわけでは無いのでそう言う説明しかできないかもしれませんが、心配で買えないですよね!
お客様に、もうしばらくお時間を頂ける様にお願いして、協力工場と知り合いの貿易公司に探して欲しいと依頼を出しました。
どの取引先も本当によく探してくれました。
何社かの中国工場や貿易公司から抜け駆けで直接売り込みが入ったくらいですから、ずいぶん探してくれたんでしょう。
最も初めての会社と付き合うつもりはありませんがね!
いつもより連絡に時間がかかっているので、最悪、現在の取引先で見つからなければ、お客様にはごめんなさいと謝るしかないなとまで考えていました。
10日くらい待って、やっと大きそうな原石があるので見て欲しいと連絡をもらいました。
通常のサンプルの大きさでは、チップの数の判断が出来ないので、20センチ四方の大判でサンプルを何枚かEMSで送ってもらい客様にお持ちしました。
以前と同じ様なチップではありませんが、現在採掘されている石、以前採掘されて在庫である原石の中で最も大きな結晶の一つですとご覧に入れました。
これから今回の原石を使って墓石をおつくりするのですが、完成時には私が立ち会うことに決めています。
石材は自然の物ですから、難しいことも多いですが、幸いにも難しいお願いにも応えてくれる取引先に恵まれていますので、石のこと、施工のこと、何でもお気軽にご連絡ください。
石で騙されないための基礎知識(緑、赤、青、グレー編)をご覧ください。