M様(奈良市のお墓)
お墓を建てることに関しては、知識も経験もないことでしたので、何となくお墓の検索サイトで資料請求をしてはみたものの、決め手になるものもなく、そろそろ本腰を入れようと思ったのが母の三回忌。お墓を建てようと思ってから既に2年の月日が流れていました。
改めていくつか墓地を選び、実際に見てみることから始めましたが、世相を反映してか、現地に着いてみると草ぼうぼうだったり、墓石が傾いて建っていたりで、最近は墓じまいをされる方も多いとも聞きました。
自分は何故お墓を建てようとしているのか…そんなことを自問自答しながら、週末ごとに墓地や石材店を駆けずり回っていたのを思い出します。
墓石の現物を見ようとショールームのある石材店を訪問してみると、墓石にも種類があり、産地や加工地、石の等級などによって価格もかなり違うという当たり前のことに気づき、まず石について勉強することにしました。実際に年月を経てどの石がどのように変わりゆくのか、雨上がりの風情はどうか等、気になったことを実際の墓地で確認したりしてみました。
ネットで情報収集をする中で見つけたホームページで、石の吸水率等のスペックをわかりやすくランキングのように並べ替えが出来るようになっていて、基礎工事や耐震施工についても詳しく書かれているものがあったので、大いに参考にしましたが、実はそれがかしこさんのホームページだったのです。
駆けずり回っているうちに、石造りのプレハブ建造物としてのお墓の側面もわかってきて、納得のいくものを予算の範囲内で建てることは近場の業者さん任せではなかなか難しそうだということにも気づかされることになりました。
お墓を建てるのは最初で最後との想いで、元来多少凝り性なこともあり、近畿圏はもちろん、庵治の加工産地などにも足を運び、およそ半年間で20件程の石材業者さんを訪問しました。その中で使用を希望する石種の丁場の状況もわかってきて、石にも旬があることも知りました。ここまで来ると、半ば業者さんの動きような、修行のような感じですが…
実はかしこさんに問い合わせをする前に、ある程度の目星をつけた業者さんが数社あり、石種も絞り込み、基礎工事や耐震施工に関しての打ち合わせに入ろうとしたところ、「このあたりのお墓はこんなもんです」とまったく取り合ってくれない業者さんもありました。
もうすこし突っ込んだ話が出来たとしても核心に触れると「安心してください」「お任せください」などと具体性のない返事が多くなったかと思うと、新しい提案もなくなり、それ以上の打ち合わせが出来ず連絡が途絶えた業者さんもありました。
行き詰まりを感じていた時に、最後の切り札のようにかしこさんに問い合わせをしたのは、ある意味機が熟した頃だったのかなぁと思います。方向性は既に見えつつあったので、伝えられるだけの希望を伝えました。地上納骨型で、巻石も共石で、基礎工事や耐震施工、納骨室の防水・換気に工夫を凝らし、入念に研磨する。その代わりに石種はスペック・内容重視でブランドにはこだわらない、と。
かしこさんは、こちらの要望をカタチにしていくレスポンスが抜群に早く、最終的な提案内容と金額が納得のいくものであったので、お願いすることとなりました。
いま振り返ると、かしこさんとの打ち合わせ当初、かなり頭でっかちになっていたかなぁと思いますが、当方の無理難題を含む思いつきに対して、分かりやすくメリット・デメリットを説明いただき、即答出来ないことに関してもキチンと調べて回答いただけたので、慣れないことの連続でしたが、スムーズにやり取りが進み、その過程がとても心地よく感じたのを覚えています。
かしこさんとのやりとりをしていたここ数ヵ月は、毎日のようにメールでの打ち合わせをお願いしていた日々でしたので、お墓が建て上がり、そのやりとりもなくなった今、一抹の寂しさを感じているほどです。
多くの方にとって、お墓を建てることは一生に一度あるかないかの経験だと思いますし、私にとっては、まさに一世一代の事業と思い、後悔のないよう、考えに考え抜き、アイデアを出し切って、あらゆる想いを具現することが出来たような気がしますし、満足のいく、とても幸せな経験だったなぁと感じています。
今回、かしこさんにはネットを通じてのご縁があり、私どもの建墓のお力添えをいただけたこと、本当に感謝しております。