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墓石(お墓の石)には、どんな石を選んだらいいの?
石を選ぶ時に、多くの方が判断される基準は、ズバリ次の二つです。
①風化や劣化に強い石で、言いかえれば硬度が高く、耐久性が有って壊れない石!
②美しさが長続きして、錆や変色等の、経年変化が少ない石です!
②水を吸いやすい石は、変色や錆のリスクが高くなります。石目の細かい(細目)の石は、目が詰まっていて、水を吸いにくい様に見えますが、水を吸う石が多くあります。見た目に惑わされずに、吸水率を確認しましょう。吸水率0.2%以下の石がお薦めです。
③風化に強く耐久性のある石を選ぶ場合、見かけ比重や圧縮強度の数値を確認すると良いでしょう。質量が高く重い石は、硬くて強度も強いとされていますが、硬くてももろい石もありますので注意が必要です。
寒冷地や海の近くの墓所では、低温、塩害に強くて硬い性能の石がお薦めです。
④色や石目の綺麗な石ほど、同じ石種でも原石ごとの違いが出る事が多いです。黒手、緑手、濃い手、粗目、細目等、色も石目も其々違います。ネット上の画像よりも現物のサンプル確認しましょう。変わりやすい石種では、実際につくる原石からサンプルを作成してもらうのがベターです。
⑤石の価格は、希少価値や需要と供給のバランスで変わります。高額で販売されている石が、必ずしも高品質ではありません!
同じ石種でも、優良な石と粗悪な石が有り、ランク、等級が存在します。高額な石を使用する必要はありませんが、錆性能をお考えになるのなら、外国産でも国産材を上回る性能と、実績のある石が数多くあります。
石のご説明の前に、一つだけご理解して頂きたい事が有ります。
お墓のご検討をされる時に、最も気になるのが費用では無いでしょうか?
「墓石の石なんて、どれも同じに見えて・・・?日本の石だと高そうだし・・・?どうすればいいのかしら?」
お墓参りに行ったことはあっても、ご自分がおつくりになることを意識して、見たことなどありませんよね!
幾らぐらいするのか?安いとすぐ傷んで、ボロボロになってしまうのかしら?等と考えてしまいますよね!
多くの方が、安ければ粗悪品、高ければ高品質、外国産が悪くて、日本産は良いと思いがちです。
みなさん地元や霊園周辺の石材店が加工していると、思い込んでいませんか?
日本では、加工段階での塵肺等の影響で、
後継者が育っていません!
その為、加工の大半を海外に依存しています。
近年では、日本の石も海外に輸出して、墓石に加工して輸入されています。
今や墓石の加工の90%以上が中国で、殆どの石材店は、販売店化しています。
日本の石を使用しても、日本の熟練した職人が、国内加工した場合は、加工代金が高額になりますが、中国加工の場合、石材原価と海上運賃だけの違いです。
加工料金が同じですから、原価的には大きく変わりません!
同じ大きさの墓石で、中国材の安価な石材のG623、茨城産真壁石、西日本を代表する銘石、佐賀県産出の天山石を比較した価格の違いです。
想った通りの金額の差でしたか?それとも差がありませんでしたか?
石の値段が5倍でも、墓石の値段は、5倍にはなりません!
加工賃が同じなら、石の値段だけですからね!
施工の費用も同じだと考えれば、変わっているのは、石材店の利益額なのです。
日本の石や黒御影石をご希望で、高額だろうと最初から諦めないで、見積もってもらいましょう。
石の比較も大切ですが、墓石の大きさや施工も同じ条件で、見積金額を比較することも忘れないでください。
最初にお値段の話しをしたのは、必ずしも金額の高い石が良い石で無い事をご理解して頂きたかったからです。
良い物は高い!値段は値段だけの物!
なんて、先入観を無くして、石を選んでください。
それでは、石の選び方5ポイントを詳しくご説明させて頂きます。
最初に、最もご要望が多い「風化に強く経年変化が少ない石」と言う基準でご説明いたします。
墓石に使用される石は、国内、海外合わせて400にも及ぶ石があるのですが、大きく分類すると、マグマが浅い地層で早く固まった火山岩と、深い地層でゆっくり固まった深成岩になります。
火山岩は大きく、安山岩、流紋岩、玄武岩に分かれていて、墓石に多く用いられるのが安山岩です。
深成岩は大きく、花崗岩、閃緑岩、斑レイ岩に分かれます。
現在、墓石に最も多く使用されているのが、御影石です。
御影石は、兵庫県六甲山麓(御影地方)に産する花崗岩の石材名でしたが、今日では、花崗岩だけでは無く,閃緑岩、斑レイ岩等、完晶質深成岩の全てを御影石と言います。
(御影町で採掘された石は、本御影として区別されていますが、現在採掘は、されていません)
安山岩は、神奈川県真鶴産出の本小松石や、福島県の伊達冠石が有名です。
外国産の石材は、中国、インド、南アフリカ、ヨーロッパ、韓国、アメリカ・ウルグアイ・ベトナム等、世界中の石材が使用されています。
今日では、外国産の石材が増加して、国内で建立されているお墓の大半を中国産、インド産の石材が、占めつつあります。
国産(日本産)の石は高品質だから高いのですか?
石は、産出される国や地域で、性質が変わる訳ではありません!同じ国で産出されても、石種毎に、性質が変わります。必ずしも日本産だから、高品質では無いのです。
実際、国産の石は、耐久性があり、見た目も美しい石が多いですが、経年変化が大きく、すぐ変色してしまう石材もあります。
逆に外国産でも、硬くて水を吸わない経年変化の少ない高品質な石材もあります。
墓石に求められるのが、耐久性が強く、経年変化が少ない石材ですが、必ずしもこの二つの条件で、石の価格は決まりません!
確かにこの条件を満たしている石は、人気があり需要も高いので、価格も高くなりますが、満たしていなくても高額な場合もあります
石の価格相場は、採掘量が多く、安定して採れている石の価格は、安くなります。
逆に、少量しか採れない石は、希少価値で高くなります。
どんな物でもそうですが、人気があれば高くなり、人気が無いと安くなります。
需要と供給のバランスで、石の相場は、動いています。
この石、ずいぶん高くなっているな!
また、歩留まりと言うのですが、石目が一方方向(縦横の紋様違い)だったり、キズが多かったりすれば、同じ大きさのブロックでも、悪い部分を取り変えて加工すると、使えない石(ロス分)が多くなり、価格が高くなります。
採掘量が少なくて手に入りにくいというのはイメージしやすいかと思いますが、歩留まりが少ないというのは石材業界の方でないと、イメージし辛い事かもしれませんね。
歩留まりというのは、同じ大きさの原石ブロックから、墓石に使える割合の事です。
同じ量の原石から、60%使用できる石と30%しか使用できない石を比べたら、30%の石の方が高くなります。
つまり同じ大きさの墓石をつくるのに、倍の量の原石を使用しなくてはならないからです。
ちなみに世界一高額な墓石材は、香川県の庵治石で、石のダイヤと言われています。
庵治石は、独特の紋様と希少価値で、人気がありますが、原石のブロックの5%ほどしか使用出来ないと言われています。
沢山の瑕が入っていますので、何度も取りかえて、一つの墓石を加工して行きます。
もちろん!日本人が、手間ひまかけてつくる訳ですから、高くなります。
そんな事で高くなっちゃうの?
国産材は、外国の石に比べて、日本の風土に合っているからいい石なの?
日本の石でも、疵、ナガレ、ナデ、錆もでるし変色もします。
中国産は危険だ!中国産だから、錆びるという説明は間違いです。
安くつくらせる為に、値段の交渉ばかりを続けていても、工場も利益無しでは、経営が成り立ちません!粗悪な石を使用して、加工で手を抜き、取り替えるべきナガレやナデをゴマカシテ納めて来ます。
中国材が悪いのではなく、品質に目を閉じて価格を叩き過ぎる日本の商社や、石材店に問題があるのです。
日本の石だから間違いありません!インドの石だから大丈夫!中国の石だから粗悪品等という販売は、無知か悪意の接客です。
国内産の石が、日本の風土に合っているという根拠がわかりませんが、考えすぎない方がいいとおもいます。
「生まれ育った郷の石で作ってあげたい」「日本の石で作って欲しい」等の想いであれば、日本の石を是非ご検討ください。
石の性質を見分けるための数値として、吸水率、圧縮強度、見かけ比重があります。
圧縮強度
お墓は先祖代々のお骨を守り、将来も子孫に継承され、今後何10年、あるいは100年単位で受け継がれるものですから「耐久性」は、墓石選びでは重要な判断基準です。
この圧縮強度は、石がどれだけの力を加えても砕けないで、耐えられるのかを計測した硬さの目安で、数字が大きいほど頑丈だといえます。
硬度は「N/cm2」で表されます。
硬い石(硬度の高い石)は、風化・劣化に強く、長く風雪に耐えることができます。
磨くほどに光沢がでます。
墓石で使われている石は、御影石などの丈夫で非常に硬い石が多く選ばれています。
見かけ比重
墓石の石を検討するときに、参考にするのが見かけ比重で、数字が多いほど重たくなります。
これは一定の体積あたりの質量の値、同じ体積の水(水温4度の純水)に対してどれくらいの重さがあるかを算出したものです。
含有鉱物が細やかに個結した石材ほど重く、重い石のほうが、隙間なく詰まっていて強度もあると考えられています。
一般的に白い石よりも、黒い石の方が重いのですが、御影石はとても丈夫な石ですから、白い石であっても一定の水準は超えています。
吸水率
吸水率というのは10cm×10cm×20cmに切削された直方体の石を48時間水に浸し、水に浸す前の重量と水に浸した後の重量の差を、水に浸す前の重量で割って求めた値で、吸水率が低いほど水を吸いません。
JIS規格では、3本の石を使用して検査し、3本の平均値を出します。
墓石では吸水率が低い石が、一般的にはよい石とされ好まれます。
水を吸うということは、石には目に見えない微細な隙間があり、表面から内部に通じる無数の隙間から、水が浸入すると言うことです。
雨が降ったり水をかけたりすると、少しずつですが、石がその水を吸い込みます。
石の表面が乾くと徐々に水分を放出して行きますが、水が抜けきらない場合や、水と一緒に吸い込んだ微物が残ってしまいます。
水抜けのいい石(水を吐く石)もありますが、抜ける様につくるには、石目を通して加工する(天目通し)必要があり、歩留まりが悪くなります。
残った水が凍結したり、融けたりをすることを繰り返すと経時的に石が弱くなり、ひび割れ、変色、艶落ち、時には苔が生える原因にもなります。
昔から石を静と動に例えて、静かな石を選ぶのが良いとされています。
水を吸ったり吐いたりする石よりも、息をしていない静かな石は、吸水率の低い石のことでは無いでしょうか?
飲みすぎないでね!
経年変化で大きく色が変わったりするのは、水を吸って変わるケースと、太陽の光で焼けて変わるケースがありますが、特に水が抜けなくなると目立って変わります。
また、水分を多く吸収する石材は、含有鉄分等が水分と反応しやすく、錆が浮いて変色等を起こしやすいです。
日本の国には四季があり、一年を通して屋外の墓石は、自然環境の中で、雨や雪、太陽光線、温度差にさらされます。
また降雪地域や海に近く塩害の影響を受ける地域では、硬くて吸水率の高い石がお薦めです。
墓地の墓石をご覧になると、一目で分かるのが、吸水率です。
白系の石、グレー系、細目の石は、水を吸って抜けない石が多いです。
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G614
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バルチック
石の中間部分で、色が違って見えるのが分かりますか?
水が抜けていないですね!変色したように見えてしまいます。
若干グレーですが、日本の天山石、インド産のアーバングレー、インド銀河等は、吸水率も低く経年変化が少ないです。
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天山石
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アーバングレー
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インド銀河
石の性質や性能の目安として吸水率、見かけ比重、圧縮強度のご説明をしましたが、確かに性能のいい石は、人気があるので高めです。
石が変われば、原価が変わってきますが、使用する石の費用が倍になっても、完成価格では、それ程大きな違いにはなりません!
墓石の値段を、比較(かしこいお墓のつくり方)をご覧ください。
ここに注意!
きめ細やかな石が、見た目にも美しく、成分(粒)が密になっているから、吸水率が低く、庵治石や本小松石が有名で、高級石材と言う表現が、いくつかのHPでされていますが、これは間違いです。
素人のHP作製業者が、他社のHPを間違ってコピーして、石材店に販売をすることがよくありますが、HPを丸投げにした石屋さんは、気が付かないんですかね?
白系、グレー系で石目の細やか(細目)の石は、水を吸います。(インド銀河は例外です)
西日本最高級石材の庵治石(香川県)の細目は、水を吸います。
東日本最高級石材の本小松石は安山岩ですから、吸水率は御影石と比べて比較にならないほど高くて、ズブズブに水を吸います。
この二つの石は高額ですが、特別高性能で優れている訳ではありません!
二つの石の良さは、希少価値や見た目の美しさ、柔らかい質感が好まれますが、吸水率などの性能とは別の理由です。
日本の石で性能をお考えになるなら、天山石(佐賀県)が国内産出の石としては、吸水率、見かけ比重、圧縮強度のどれも、抜きに出た性能です。
高級石材を売りたい石材店の気持ちは分かりますが、これは間違った表現です。(石を知らないHP作製業者が、間違った情報をコピーして、商売をいるのかもしれません!)
吸水率、圧縮強度、見かけ比重は、墓石の種類と性質でご確認ください。
墓石の石を選ぶ時には、霊園に出かけて、何年か経った墓石をご覧になってください。
墓石は、風雨や太陽の日差しを浴びた霊園で、ゆっくり経年変化をして行きます。
屋根のある展示場では、分からないのが経年変化です。
日差しや雨風が当たる霊園では、サンプルでは分からない事が見えてきます。
雨上がりの霊園は、石の吸水率だけでなく、墓地の水はけなども分かるので、墓地確認にお出かけになるのがお薦めです。
当社では、墓地確認の時にサンプルをお見せするだけではなく、霊園にて何年かたった場合の石のご説明をさせて頂きます。
その際、墓石をご覧になって頂きながら、お気に召した石のイメージを伺うようにしています。
色や柄(石目)で、石を選ぶ時の注意事項
墓石の色といえば、一昔前までは、白や黒、グレーなどのイメージでした。
近年、洋墓、デザイン墓の普及に伴い、ピンク、赤、ブルー、緑など豊かな色彩の墓石を、おつくりになる方が増えました。
光の具合や角度で色の表情が変わる石、キラキラと光る結晶のようなものが入っている石等、特徴のある石が、使用されるようになってきました。
故人が生前愛した色、遺族が故人をイメージしたセンスや想いで選ばれると良いでしょう。
実際に完成したお墓を見ると、サンプルとは違って見える場合もありますから、墓地でご覧になることを、お薦めしています。
墓石を選ぶ時の要素として、色や柄の好みというものがありますが、ご自分のお気に召した石を選ばれるのがベストです。
墓石を選ぶ時の要素として、色や柄の好みというものがあります。性能に問題の無い石種であれば、ご予算に合わせて、ご自分のお気に召した石を選ばれるのがベストです。
綺麗な石でつくってあげたい?
仏教では、赤、白、黒、黄、青(緑)の5色は、そのどれもが、極楽浄土をつくるのに必要な色で、墓石に使用して問題無しとされています。
原色ではなく、白みや黒味を帯びた石に、これらの色が加わったものでも、大丈夫です。
黒石がダメなんて、迷信です。
さて!ここでは同じ石種での色違い、石目の違いなどで、考えていたイメージと違うお墓にならない為の注意点を幾つかご紹介いたします。
建てられた後のご相談もありますが、お客様が要望され、石材店が正直な説明と、ご希望に合わせて手間をかければ解決する事ばかりです。
石を選ばれる時、色、石目(紋様)、硬さ、吸水率等お客様で、重視される選ばれるポイントが違いますが、
ここでは、同じ石種での価格の違い、色違い、石目の違い等のご説明をいたします。
同じ名前の石でも全く別物?石の等級(ランク)って何?
海外の石の場合は、同じ石種でも大きく分けて、良品と粗悪品に分かれます。
例えば、関西で人気の黒龍石(黒龍江省で採掘された石)では、G1704、G1716系は評価が高いですが、丁場も100か所を超え採掘時期でもバラツキがあります。
G1790、G1791系は吸水率も高く、極端に品質が落ち値段も違います。
同じ黒龍石という名前ですが、石目、色目、性質、金額が全く違う石が、黒龍江省で採掘された石を、黒龍石で販売されている訳です。
こちらは中国白御影のG603の丁場です。
こんな近くですが、右の丁場と左の丁場で石の色が若干ですが違います。
同じ丁場の中でも色や石目が異なる石材が存在しまうので、1基の墓石は、同じ原石のブロックからつくらないと色や石目が変わってしまいます。
寄せ集めの石で、石目を揃えずに、安くつくった墓石は、何年か経過すると、部材で色が変わって見える事があります。
日本の石の場合、同じ名前(産地)の石でも、等級(ランク)によって価格が違います。
何段階にも分かれていますので、大変分かりにくくなっています。
大島石のランク
例えば、伊予大島石などは、大きく分けると、以下の4種類に分かれます。(丁場の位置でも細かく違います)
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特級
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一級
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カレイ
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二等
画像ではわかりにくいですが、現物のサンプルを並べて比べると、同じ石に見えません!
採掘している会社が、自社で「特級」または「一級」と等級を決めていたり、石材商社や石材店が、等級を個別に決めている場合もあり、かなり曖昧です。
等級でどれにしようか決めかねている場合は、原石のサンプルを石材店に取り寄せてもらって、その中で自分の気に入った石材を選ばれるのがお勧めです。
これからご覧になって頂くのは、全て大島石です。
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大島NR
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大島NGN
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大島石善青
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大島NA
同じ大島石でも採掘時期で石目が若干違ってきます。
また採掘会社毎に、特級が決められていて、大変分かりにくくなっています。
天山石
国産材の中でも、屈指の高性能石材で、西日本を代表する墓石材です。
天山山系(佐賀県)で産出され、青みが強く透明度の高い石目が特徴の銘石です。
現在では同じ天山系の石も天山石として販売されていますが、石目、色、値段も違います。元々の天山石がご希望なら、産地証明を出してもらうといいでしょう。
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天山石材
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田中天山
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七山御影
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椿石
業者間では、天山石材と田中石材の丁場で採掘した石を、天山石として扱っています。
天山石材の石の方が、田中石材の石より色が濃いのが特徴です。
「七山御影」「椿石」も石目が違いますが、同じ天山系で採掘されていますので、性能は劣りません!
採掘され始めた時期が新しいので、価格も若干お値打ちですが、天山石よりも青く綺麗な七山御影が、採掘される事があります。
自然の物ですから、その時々で良い石が採掘される事がありますので、七山御影や椿石も、ご紹介する様にしています。
他に「富士御影」があります。
天山石にも「特級」「1級」「並」のランクが付けられています。
天山石材では、商社や販売店の目利きで決められる、特級とか一級の表示では無く、色の測定データーを元に、最も青い石を天山紺碧(超特級)、次に青い石を天山銀鋼(特級)、紺碧や銀鋼として販売できない石を天山石として販売をしています。
天山石(紺碧)
石のナデと黒玉
石は自然の物なので、木の節(玉)や年輪(ナデ・オビ)があります。
入っているから壊れるということは無いのですが、見た目の問題が大きいです。
原石には交わせないほど入っている石種がありますので、予め石材店に説明を受けましょう。
どんな石にもありますが、G654、黒龍石、M1H等は多いです。
G654平和の丁場ですが、画像の左のブロックに白い線が見えますか?
これが大きくした、原石に入っているナデです。
加工中にこのナデや玉(節のような物)が出てきたら、加工を止めて取り替えます。
取りかえると、それまでの加工と石が無駄になります。
つまり同じ大きさの墓石をつくるのに、沢山の石が使用される事になります。
原石の価格ですから、取り替えても金額に大きな差はありませんが、コストを詰めすぎると、取りかえずにゴマカシが行われます。
下の画像が、ナデが出てしまった外柵です。
最初は薄くコーティングしてありますが、コーティングが落ちて、早ければ3ヵ月、遅い時は3年くらい経過してハッキリしてきます。
ゴマカシは、出来上がって時間が経ってから出てきますので、粗末が悪いです。
安く売る業者や、地域的には、入るのが当たり前の様に、説明されていますが、目立つところに出るのは嫌な物です。
避けて加工することは可能ですから、石材店に注文する前に伝えましょう。
出来上がってからだと「自然の物ですから、これ位は!」と逃げられます。
目立つところに出てきたら、一発、レッドカードですね!
アーバングレーの青手と赤手です。
吸水率も少なく硬く透明な結晶が美しい人気の石材ですが、青目がお勧めです。
赤目には、錆のような箇所が見えませんか?磁鉄鉱でしょうか、変色します。
丁寧に磨かれた、青手のアーバングレーは、表面に透明感を感じ大変綺麗です。
最近では、アーバン青とか新アーバンの名前で、青目の石が売られていますが、アーバングレーではありません!
アーバンの青目として販売をしていますが、本家のアーバングレーとは、石目も透明感も違います。
アーバングレーは、業者間でMD5として取引をされてきた石です。
ムッドガル地方で、5番目に採掘された石という意味ですが、最近ではMD6、MD8、MD9等、紛らわしい名前で販売をされている石が、大変多く流通しています。
商社が勝手に名前を付けていますが、似ているだけで全く違う地域の丁場です。
バイオレットブルーの色違い
バイオレットブルーは、ウルグアイ産で、硬くて、吸水率も低いです。
研摩後の光沢もよく艶持ちもよく経年変化が少ない高級石材です。
石英と呼ばれる透明感のある鉱物が、雲母や白い長石などを覆っていて大変綺麗な石材です。
下の画像が、白手と濃手ですが、同じ石種に見えませんよね!
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白手
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濃手
濃い手の方が、角度で薄いピンクがかかったような、ブルーに見えます。
ただ色の濃い石程、ナガレと言うかナデのような物が入っています。
AランクとBランクと呼んでいるようですが、ナガレの少ないのがAランクです。
左がAランク・右がBランク
Bランクの石のサンプルにナガレがあるのが、わかりますか?
Aランクの石を使って、更に削っているときに、ナガレが出たら、取りかえて貰える工場で加工が出来る石材店でつくってもらいましょう。
ご自分のイメージと、全く違う墓石にならない様に、注意が必要です。
大きな墓石や、長い部材でつくる事も難しいので、詳しい説明が出来る石材店でお願いしましょう。
原石から、サンプルを入手してくれる石材店がお薦めです。
インパラブルーのブルーのチップ
小さなサンプルでは、チップの量がわかりません!
当社はンチ20㎝×20㎝ぐらいのサンプルを今ある原石から磨いてつくってもらいます。
石材店に、出来るだけチップの入った小さなサンプルを選んで見せられても、それではわかりません!
従来のサンプルと20センチ×20センチのサンプルです。これくらいの大きさなら、出来上がりをイメージして頂けます。
ブルーのチップの大きなものを探すために、原石に水をかけて、チップの大きさを確認しています。(原石は水をかけると磨いた時の石の色や、結晶の大きさがわかります。)
老眼で、眼鏡をはずさないと、近くが見えない様な爺さんが、「ノコノコ石を探しに渡航するなんて、よくやるな~!」とバカにされそうですが、お客さんの想いを叶えるって、手間ひまを惜しんでいたら、出来ません!
この石材は、縦と横ではチップや石目が違います。
ブルーチップがよく見える様に、カットされる面を指定しなければなりません。
石の性質をよく知っていて、カットの方向まで細かく指示を出しても、対応してくれる工場に、加工してもらいます。
加工して送ってこられた木箱を開けてみないとわからないでは、話になりません!
こんなにブルーが綺麗な原石が採掘されているのがこの丁場です。
カットする面での色違い
石はカットされる面(縦と横)で、表情が違って見えます。
画像は、インド八重桜です。
水は吸いますが、ピンク色のマットな色調が、柔らかくて優しい感じの墓石が出来上がる石です。
この石はカットの仕方で、色目が変わって見えます。
同じ石の縦横です。
かなり色調が違いますから、方向性を同じにして墓石を加工します。
どんな石にも、石目があります。
縦横で、色目、石目が大きく変わる石では、必ずお客様にご説明をする様にしています。
マハマブルーの模様
マハマブルーは、マルチカラー系御影石で、インドブルーと呼ばれることもあります。
大理石風で、模様の混ざり方は、様々で、二つとして同じ模様はないので、個性的なお墓を建てたい方によく利用されています。
当社は、現地画像で確認していただくか、どうしても判断が付かないときは、その部分だけもう一つおつくりして、どちらか選んで頂くこともしています。
(イメージは、施主さんで無いとわからない事が多いです)
だからって高くなりませんからご心配いりません。
輸入するわけではありませんので、料金はいただきません!
下は、墓石の最も目立つ部分の部材ですが、模様の違うパーツを、2つ作成して画像を送ってきました。
ここがポイント!
どんな紋様が出るかわからないところが、オリジナルの墓石が出来て、この石のいいところですが、「これはどうかな・・・?」と想うような文様が出る時があります。
目立つ部分でのBの様な紋様が出た時は、もう一枚Aをつくります。
当社の工場は、Bの様な紋様が出た時は、確認の画像を送って来てくれます。
作り手の目線では無く、買い手の妥協点を考えてくれるからです。
マルチカラーの墓石材は、他にマルチカラーレッド、パラディソ、オーロラ、オリーブグリーン等がありますが、どれも綺麗で、オリジナルの墓石がつくれます。
M1Hの色と石目の違い
どれもM1Hですが、違いますよね!
色も違えば石目も違います。
丁場の位置、深さで石目や色目が、違ってしまうのが自然の石です。
古いサンプルを見せられて、吸水率の無い緑のインド材だと説明を聞いただけで、石材店に依頼をすると、出来上がりのイメージが違ってしまう事があります。
その際、現在加工しているブロックに近いサンプルを、見せてもらいましょう。
M1Hとお決めになって、最終の契約前なら、取り寄せてもらう事も可能です。
M1Hのナガレの画像です。
これだけのナガレは、お墓が出来た時には、無かったでしょうね!
ニューインペリアルレッドの色と石目の違いです。
同じ石ですが、採れている場所、深さで全く違います。
原石に水をかけました。
中央の辺りをご覧になってください。
途中で変わっているのがわかりますか?
水をかけると、磨いた後の色艶を確認できます。
磨かれていない石を美しく輝かせるには、水をかけることです。
京都などでは、よく見かける風景ですが、打ち水をすると綺麗になるのを見たことありませんか?
「こんなに違っちゃうの?」ですよね!
ニューインペリアルレッドをご希望のお客様は、赤くて霊園の中でも存在感のある石を想像されていると思いますが、最近ピンクに近い墓石を見ることがあります。
原石からカットしたサンプルで、確認しましょう。
赤い石をイメージしていたのに・・・
インドPANの研磨の違い
黒御影石は、有色鉱物の角閃石や輝石を多く含む斑レイ岩です。
黒石の区別なんかつかない!同じに見えると考えていらっしゃいませんか?石材店でも見分ける事が出来る方は少ないですが、石種毎に石目や色目が違います。
また磨く程に艶がでて黒さが増すのが、黒御影の特徴です。
この画像は、どちらもインドPANです。同じに見えますか?
磨き方が違う石を、並べて比べると、違いが分かります。
インドPANは、クンナムと並んで、最高級インド黒御影です。
細目の黒御影は、丁寧に何度も磨いてもらえば、磨くほどにドンドン綺麗な黒になっていきます。
磨きがあまい石と、シッカリ研磨されたものを比べると、違いが分かります。
比べたら、黒い方がいいに決まっていますよね!
何回か細かい砥石で磨くだけですから、加工料なんて殆ど変わりません!
注意!
最も細目のPANでご説明しましたが、現在PANとして流通している石の殆どがPTRと言う石です。
本来のPANは、現在採掘されていませんが、元々はパイスール(地名)でインド鉱山会社のタミン社が採掘しており、タミンPTRと呼ばれていました。
現在PANとして販売されているPTRは、アンドラプラテッシュ州では無く、テランガーナ州で採掘されている石です。
PANの石目は、極細目です。
石目が見えたらPTRです。
安売りの石材店が、PANとして販売していますが、石材単価も違いますので、ご注意ください。
MUと新MUの違い
黒御影なので画像では分かりにくいかもしれませんが、向かって左がMUの細目、中央がMUの中目、右が新MUです。
MUは並んで2丁場あり、それぞれ違う会社が採掘しています。
中央の中目が黒くて大変美しい石です。
細目でも中目でもMUなら経年変化に問題はありませんが、新MUは細目のMUに似ていますが若干白いです。
MU丁場の採掘が健在なのに、新MUが出て来る事が怪しいです。
新○○名のついた石は、本来実績のある石材とは全く違う石ですから、ご注意ください。
黒御影をお選びになる時に、最も注意しなければならないのは錆です。
黒系の石は鉄の含有量が多いので、赤く錆びることがあります。
採掘されたばかりの石ではなく、経年変化の実績のある石を選びましょう。
価格はそれ程変わりませんので、実績のあるインド産黒御影がお薦めです。
本小松石・大谷石
東日本で高級墓石材の神奈川県産の本小松石は、安山岩ですからナイフで削れます。
色合わせが難しく、加工中にも青目が赤目に変わったりします。
経年変化で、変わって行く美しさを感じる石です。
変わらない美しさを求める方にはお薦めできません!
写真は、建てられてから1年ほどの墓石の花立ての部分ですが、錆でしょうか?変色しています。
全体がゆっくり変わって行くのは、趣きも感じますが、こうなってしまうと取りかえるしか無いです。
その部材だけ色が変わってしまいますので、扱うのは大変難しい石です。
加工中に色が変わって来る事もあるくらいに、変化が早い時があります。
西日本では、見ることが少ないですが、やわらかさを感じる石肌で、関東では人気が高く、大変高額です。
山梨県産出の山崎石(甲州小松)も安山岩ですが、本小松程の変化はありませんが、30年以上経過した墓石が割れているのを、山梨県以外ではよく見かけます。
地元には良質な石を使用しますが、地方には良くない石を出荷したのでしょう。
福島県産出の伊達冠石(通称泥かぶり)も有名ですが、国内加工しか出来ませんので、高額になるのが安山岩です。
安山岩は、御影石に比べて、取り扱いが難しい石材です。
火山灰の固まった大谷石(栃木県宇都宮市)は、柔らかく加工しやすいですが、凝灰岩ですから、すぐに壊れます。
昔からこの石を売っている石材店では、一生に一度は、ご先祖様のためにお金を使いましょうと言う考え方です。
墓石が売れれば儲かるので、都合のいいセールトークを、石屋が考えただけのお話しです。
代表的な石の説明をさせて頂きましたが、石は自然の物ですから、硬い石でも、もろかったり、経年変化が早かったりもします。
ナデ、オビ、ナガレ、玉等の瑕の出やすい石の性質もありますから、石のことをよく知っていて、親切に説明をしてくれる石材店に相談しましょう。
ここがポイント!
日本の石のランク分けに比べて、海外の石は、品質のいい石か粗悪の石かで、原価が違ってきます。
インド材の同じ石種で、品質のいい石を使って、丁寧な工場でつくった場合と、粗悪な石を使って、雑な工場でつくった場合の才単価(30センチ立方)は、10%前後の違いですから、8寸の和墓で30,000円までくらいの違いでしょうか!
原価では、それ程大きな違いではありません!
売るためには、手段を選ばない競争をしている石材店は、採掘されて新しい石種は安いので、経年変化等、実績の無い石種を薦めます。
更に原価を下げるために、取りかえ無しのゴマカシ加工をさせて、薬漬けの墓石を納品させるわけです。
墓石の加工まででは、大きな原価の違いになりませんから、構造や施工の仕様でも、手抜きをしてきます。
石の説明だけでなく、加工や施工の説明もした上で、見積もってくれる石材店を選びましょう。
色や石目の変わりやすい石であれば、現在のサンプルを取り寄せてくれる石材店を選びましょう。
高額のワインを注文する時には、テイスティングしますよね!当たり前のことです。
当社では、お客様希望の有る無しにかかわらず、変わりやすい石目や色の石は、お取り寄せするようにしています。
石は自然の物だけに、採掘の時期で、石目の大きさ色目が違います。
日本の石でも、海外の石でも、良質な石が採掘されない事が頻繁にあります。
良い事!悪い事!多くの情報を伝えて、お客様のお求め石を、薦めてくれるくれる石材店がおすすめです。
みなさんリンゴやミカンの様な果物なら、傷んでいる事がお分かりになると思います。
常日頃から、馴染みの無いお墓の石では、安売りの業者が粗悪品を販売していても、中々わかるものではありません!
墓石の石を選ぶことも大切ですが、まずお客様の想いを叶えてくれる石材店を、探すことが、大切では無いでしょうか?
「どうやって探せばいいんだろー?」
見なければ損をする!石材店(墓石店)の選び方!は、こちらです。
石選びのポイントをご覧になって頂きましたが、価格を中心にお墓づくりをお考えになりたい方は、騙されるな!墓石の相場や金額の仕組み教えます。・墓石の価格を比較(かしこいお墓の作り方)をご覧になってください。
また墓石の価格表示もしてございますので、参考にされてください。
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