墓石工事の割栗石と砕石の違い!
私の会社では、割栗石と砕石の工法を、墓石の重さと地盤で変えています。
前回のブログで、75センチの床彫りをした画像を掲載したのですが、後ろの墓石の基礎工事についてのご質問がありました。
「よく見ているな~!」と感心しましたね!私は自分が手掛けた墓石の事しか考えていませんから、お隣の基礎工事等、気にもしていませんでした。
画像で視る限り、コンクリートの下に入っているのは砕石の様です。
15㎝位の厚みのコンクリートを打設する前に、砕石で地盤を固めてあるのでしょうね!
ご相談は、砕石と割栗石の違いでしたが、簡単には岩石を砕いた大きさの違いです。
砕石は60mm位までが普通で、割栗石は100mm~200mm位の大きな石です。
どちらも地盤の安定化の為に使用します。
安定化させて置かないとコンクリートの基礎を打った後に、地盤が沈下するからです。
分かりやすいので画像をご覧ください。
どちらも当社が基礎工事の為に、掘った時の画像です。
砕石の基礎
床彫りをした後の根切り面(地面)を安定させるために、砕石を入れて転圧をしてコンクリートを打設してあります。
基礎コンクリートの下に細かな砂利が入っているのがおわかりになりますでしょうか?
ご相談者が観られた画像もこの画像も、地盤が緩いです。
15センチのコンクリート厚に鉄筋やワイヤーメッシュが入っていれば、基礎が割れる様な事は無いでしょう。
但し、墓石の大きさが大きくて重い場合には、年月が経過とともに、ゆっくりと基礎ごと傾くことが想像できます。
そうなってからの修理は、応急処置で下に石を入れて傾きを直すくらいですから、同じ様に傾いてきます。
解体して基礎工事からのやり直しをすると、建て替えるに近いくらいの費用がかかります。
砕石のみで安定させる場合は、⛏でも掘れないので、電動シャベルを使用する位地盤が固い場合!
墓石が小さくて、地面にかかる負荷が小さい場合です。
地盤が固くて墓石の負荷が少ない場合には、私の会社でも砕石だけの基礎工事の採用しています。
強度に問題が無ければ、少しでも費用を抑えてお作りしたいですからね!
都立霊園や各地の市営霊園の様に、墓じまいの跡地を抽選で購入された場合は、撤去の際にユンボが使用されているので、どうしても地盤が緩くなっています。
割栗を入れた基礎
砕石の基礎と比べると、大きな石が下に入っているのが分かりますか?これが割栗石です。
地盤が柔らかい場合には、大きな割栗石を入れて、隙間に40-0(40mm~0mm)の大きさの砕石を詰めてた後に、転圧をして地盤を安定させます。
安定しない場合には、更に砕石を追加して転圧をします。
この工法を採用しているのは、震災時に砕石だけの施工に比べて、割栗石を入れた基礎の割れる事が少なかったのです。
割栗石は単価が高いので、安く販売する為に、砕石だけでつくる墓石を多く見かける様になりました。
傾いた墓石のリフォームをすると必ずと言っていい程、砕石のみで薄いコンクリートの基礎工事なのです。
基礎工事をしていると、お隣に基礎が見えてしまいますが「10年大丈夫かな?」と思う様なほとんど基礎コンクリートを行わないで据え付けてあるだけの下記の様な施工もよく見受けられます。
お墓は世代を超えて受け継いで行くもの!建てた人が修理をしなければならない様な施工はどうかな?思います。
せめてお子さんの代までは、修理無しで考えて差し上げたいです。
同じお墓なら、安い方が良いに決まっていますが、同じで無いのがお墓づくりなのです。
どちらのお墓をお創りするときも、少しでもお値打ちにおつくりしたいので、費用対効果を考え無い事はありません!
確かに割栗石は砕石より高額ですが、原価にしてみれば僅かな金額なのです。
深く掘りますから残土処分料や、40-0の砕石も少し費用がかかります。
チリも積もれば何とかで、安く作る事だけに専念すれば、安く作ることは出来ます。
でも天災も無いのに自然に傾く様な施工をしたくは無いのです。
その上で、安売り競争をしている石材店と価格が変わらなければ、その方が良いですよね!
自分は自分のスタイルで、お墓づくりをしたいと思います。
HP上には、簡単に基礎工事の画像も掲載していますので、ご覧になってください。