愛知県春日井市の墓石です!M1Hでおつくりになりました。
名古屋市の北東部に位置する春日井市の市営潮見坂平和公園です。
小高い丘を利用して造成され、静かで落ち着きのある霊園です。
今日は霊園の土壌のお話しをさせて頂きます。
墓地を購入されて、どんな墓石にしようか?と霊園内を散策されるかもしれません!
そんな時、基礎工事がしてある墓所が目に付くと思います。
みなさん画像をご覧になって、何をお感じになりましたか?
そうです。カロート部分の水が抜けていないのが、お分かりになりますよね!
天気がいい日に撮影していますので、水が全く下に抜けない粘土質の地盤です。
この墓所で地下カロートをおつくりすると、入りこんできた水が抜けません!
これでは、遺骨が水にプカプカと浮いてしまいます。
地下納骨が主流の地域では、水が抜ける土壌かどうかを確かめる必要が不可欠です。
この場合、水が下に抜けないならGL(グランドライン)より上に納骨室をおつくりして、墓所外に逃がして行ける構造が必要です。
いくらお客様の価格を抑えたいご要望でも、他社と価格を比較されていても、ここはご説明をして若干の費用のご負担をお薦めしなくてはなりません!
2万円~3万円の違いかと思いますが、それで他社を選ばれても仕方が無いです。ここは、私が石屋として絶対譲れない構造だからです。
地盤、勾配、土質を確認して墓石のご提案をするためには、墓地確認は不可欠なのです。
ネットで販売している同業者からすれば、「バカじゃないの?安く売っているのにそこまでやるのは?」と言われそうですがね!
でも、私が日本中駆けずり回って、墓地の確認をしているのはこのためなのです。
もちろん地元の石材店なら、地盤の事は分かっているでしょうが、高ければ何もなりません!墓地確認をすることで、地元石材店が持っている経験を埋めることが出来ます。
近年、地上カロートのお墓が増えましたが、地下カロートのお墓は、石材使用量も抑えることが出来るので、比較的安くお墓をおつくり出来ます。
しかし、どんなにコーキングしても、水は隙間を見つけて入ってきます。
水が抜けそうでない土壌なら、カロートをGL(グランドライン)より上におつくりしてあげたいですね!
高ければいいお墓ではありませんので、お客様のご要望に合わせて価格を抑えておつくりをしていますが、カロート(納骨室)の構造をご存知の方は殆どいらっしゃいません!
だからこそ納骨室のご説明をして、ご遺骨を安置する箇所だけは、綺麗におつくりしたいと考えています。
もちろんコンクリートのカロートを否定するつもりはありませんが、僅かな金額の違いでそれが出来るなら、殆どの方がコンクリートの中で眠りたくはないのでは?と考えるのは私だけでしょうか?
だって!大切な方を安置する場所なのですから!
関西地区の納骨形式なら5千円ぐらいで、石でおつくり出来ます。
先日、関東の公営霊園で、地下納骨型の二段カロートの規定があり、どの石材店も石でつくっているとの話でした。
見積もってみると、規制のコンクリートの納骨棺の価格とそれ程変わらないコストでした。
石室のカロートをご説明して、ご予算からお選びになるのはお客様でいいのでは無いでしょうか?
最近の傾向として、石にこだわりは無いので、とにかく安くつくって欲しいご要望をうかがう事も多くなりました。
拘らないし、とにかく安くつくりたいと言われても、石は、やればやるほど難しいのです!
実績のある石でさえ絶対が無い事を、何度も感じさせられています。
私の石の薦め方は面白みが無いかもしれませんが、上手くいって当たり前なのです。
私は気の弱い石屋です。それでも、予測できない事が起きてしまった時に、責任を持つ覚悟の裏返しなのです。
臆病なのですかね?私は、いいお墓を出来るだけ安くおつくりするステージで、お墓づくりが出来ればいいのかな?と想っています。
究極の安さには、どうしても踏み込めないですが、そこは価格を優先に、お客様に応えていらっしゃるスペシャリストに、お任せしたいと思います。
いい墓石を、出来るだけ安くおつくりした価格表がHPにありますので、ご覧ください。
相変わらずのボヤキで、話が脱線してしないましたので、墓石のお話しに戻します。
この墓石の施主様は、かなり墓石の事を勉強されたのでしょうね!
土壌のお話しをご理解して頂けて、元々のデザインより一段高くされました。
お気に召した石の中から、吸水率の低いM1Hをチョイスされて、アーバングレーを使用してカロート部分を地上につくることで、水が抜ける様にされました。
されましたと言う表現を使ったのは、図面をお客様みずからが、おつくりになられたのです。
実はCADの先生をしていらっしゃって、ご自分のCADを駆使しておつくりになったそうです。
図面が送られてきたときなんか、最初は同業者かと思いましたからね!
ご自分でオシャレなカットを入れ、大きさをコントロールして、ご予算内に収めていかれました。
こんな方は特別ですが、熟練のオペレーターが、自社のCADでおつくりしますので、お気軽にお問い合わせください。
追伸
まだ書き足りないので、別件も書いちゃいますね!
先日も墓地確認時に、お父様とご子息のご希望をお聞きしたのですが、ご年配の方が必ずお尋ねになるのが、戒名(法名)等の追加彫刻や修理の事です。
「新規建墓だけでは無くて、追加彫刻や修理のご依頼も承っています。ご心配いりません」とお話しさせて頂きました。
先日も建ててもらった石材店に、職人がいないので出来ないと断られ、困ってお寺のご住職に相談されたところ「ここに連絡してみたらどうですか?」と当社の名前を聞かれたそうです。
拝見すると、基礎不十分で、間地からやり直す必要が有り、技術と機材のいる修理でした。
間地の画像です。
墓所で職人が石を削りながら、積み上げて行くのが間地です。
一軒の石屋が、石を加工してお墓をつくるには、大昔の話なのです。
近年では加工、文字彫刻、採掘、建て上げ、販売とそれぞれの専門職に分業されています。
石材店が家業のお子さんが、家業を継ぐ時代では無くなりました。
つまり地元も創業年数も関係が無くなってきていると言う事です。
今回のお店は、販売だけで修理が出来ないなら、出来る業者を紹介位すればいいのにと思いましたがね?
私の会社は、建てたお墓はもちろん対応しますが、他社が建てたお墓の修理も承ります。
何処かがやらないといかんでしょう!
遠隔地の場合、提携の業者さんを紹介しています。
修理内容が3万円まで位で、業者さんの会社から、移動に時間と費用がかかる地域で割高になってしまう場合は、とりあえずお見積もりをお出しして、近隣の石材店の見積もりをされることをお薦めすることがあります。
少しでも安い方がいいですからね!