墓石にとってカロート(納骨室)は、最も大切な所です。
最近、カロートのご相談が立て続けにありました。
お墓の外からご覧になる事があっても、内部をご覧になった方は、少ないと思います。
「納骨室に雨水が溜まって、内部が浸水してしまっています。石材店に相談して、コーキングをしてくれましたが、やはり水が溜まります。石材店も困った顔をするだけで、ハッキリとした説明をしてくれません!どうしたらいいですか?」等、お困りのご相談です。
水に浮かんだ骨壺から、ご遺骨が出てしまって、散らばっているそうです。
確かに嫌ですよね!墓じまいの時に、カロート内にご遺骨が散在していることがありますが、大きな地震でもない限り、殆どの場合は雨水が原因でしょうね!
現地を拝見しておらず、まして他社が作った墓石のコメントは、あまりしたくはありません!石材店毎にお墓のつくり方は違いますので「自分の会社ではこうしています」と言ったお返事しかできません!
いくらコーキングをしても、10年も過ぎれば劣化して、水は必ず入ってきます。
納骨棺は地下と繋がっていますので、下から水蒸気としてカロート内に侵入して結露をおこしたりしますので、水を防ぐのは無理なのです。
だから私がおつくりするお墓は、入ってくる水が出て行く構造にしています。
墓所確認時に地盤が粘土質で水を通さない土質の場合は、地上カロートをお薦めしています。
地下に水が浸透して行かない地盤では、ご遺骨を安置する骨壺の下の部分が、GL(グランドライン)より上になる様におつくりするのが基本です。
水が下に抜けないのなら、地上の何処かに水抜きを作って、水を逃がしてやるしかありません。
今回のご相談では、多分水抜きが作って無いのか?粘土質で水が地下に抜けないような地盤で、地下カロートを作ってしまったのか?そのどちらかでしょう。
石材店が現地を確認していれば、その辺りの事は分かっているはずですがね!
ご遺骨を安置するカロート内ですから、出来るだけ奇麗に保ちたいものです。
だから雨水をどうやって逃がしてやるか?を考えながらお墓づくりをしなくてはなりません!
コーキングボンドは、水を防ぐ目的もあるのですが、コーキングしても水は必ず入ってきます。
「しっかりコーキングします。水は入りませんから大丈夫です」なんてセールスされたら、売りたい為の方便ですから信用してはいけません!
コーキングだけで、水を防げたら、私ら苦労していませんよ!
地上カロート墓石の製作時に、水抜きをおつくりするのは簡単ですが、後々地下カロートを地上に作り直すには、建て替えに近い費用がかかってしまいます。
コーキングしても水が溜まる様なら、カロートの構造を作り変えるしか無いと思います。
納骨室は、出来上がって見えなくなる部分でもあり、石材店任せで原価を抑えやすい部分ですが、一番大切な箇所です。
カロート内の構造や水抜きについては、墓石をおつくりになる時に、石材店にお尋ねになっていた方がいいでしょう。
水抜きをおつくりしても、土砂降りの雨が続けば、当然入ってくる水も多くなります。
地形によっては、墓所に入ってくる雨水の量を、出来るだけ少なくする工夫をしています。
例えば山の斜面を利用した墓所で、大雨が降ると滝の様に、斜面を雨水が流れてきます。
上から降る雨は、どうしようもありませんが、流れ込んでくる雨水を減らす事は出来ます。
施主さんのご了解を頂いて、水が流れ落ちてくる墓所との間に、若干の空きを作って雨水を落とし、更に勾配を付けて水を墓所に入らない様に逃がす様にしています。
石材店毎にお墓のつくり方は違います。
考え方の違いですが、私は寝室が雨漏りして、床がベタベタの部屋で眠りたくは無いです。
追伸
関西方面のお墓は、土に還す納骨形式で、残されるご遺骨も少ないです。
その為に、カロートが作られてない墓石があるのです。
「どこから納骨するのですか?」とご相談されることがよく有ります。
ほとんど場合、墓石の近くの土を、園芸用のシャベル等で掘って埋められているのです。
墓石の写真を送って頂ければ、お返事が出来ます。
カロートだけでもおつくりする事が出来ますので、遠慮なくご相談ください。
遠隔地で、墓石の検討をされているお客様も、写真と墓所の広さ、ご希望の墓石を教えて頂ければ、お見積もりをお出ししています。
他社の金額は必要ありませんが、もし図面をお持ちであれば、短時間でお見積もりのお返事が出来ます。
石にも施工にも拘った墓石ですが、他社より安いかも知れませんよ!遠慮なくお問い合わせください。