基礎工事の必要強度は、地盤と墓石の大きさ(重さ)でで判断しています。
墓地確認に伺った時、お客様からご質問がありました。
「どの石屋さんも基礎工事の説明がバラバラなのですが、社長さんは基礎を打たれる派ですか?」
「どんな場合も基礎は打ちますから、私は打つ派ですね!(笑)ケースバイケースで、基礎内容を変えていますから、バラバラと言えばバラバラです。どんな説明でしたか?」とお尋ねすると、
「頑丈につくります。尺基礎を打ちますので安心してください」と言われたり
「あまり強い基礎にすると、壊す時に費用がかかって大変です」と言われたり
「据えてけ工事で大丈夫です。難しい事を考えずに任せてください」と言われたそうです。
基礎工事の詳しい仕様説明は無かったそうです。
詳しく説明すると、逃げ道が無くなるとでも思ったのでしょうか?
専門家だと思っている石材店から、この程度の説明しかされなかったら、比較の仕様もないです。
もっと聞いても良いと思うのですが、お客さんは初めてなのですから、どうやって質問して良いのかも分からないですよね!
私の場合は、地盤の固さや墓石の重さで決めています。
何回か前のブログで、墓所確認時に判断の参考になる地形や、地盤、勾配等ついて書いています。
それを参考にして頂くと良いです。
「デザインはゆっくりご検討して頂くとして、どれ位の大きさの墓石をご要望ですか?この辺りにありませんか?」とお聞きすると、
「これ位の大きさが有ると良いね!」と教えて頂けました。
「これ位の大きさの墓石なら尺基礎までは必要ないと思います。少し強めのコンクリートを15センチの厚みで、鉄筋か太いワイヤーメッシュを入れて、ベタ基礎(全面コンクリート打設)にすれば大丈夫です。もし隣の区画なら、もう少し厚めのコンクリートにしますがね!」
「ハァ?」
「隣の区画は、多分緩い様な気がします。良かったですねこっちで!(笑)」
ここからは、ブログを読んでいただいている方にも、分かるようにご説明しますね!
都立霊園の場合、墓じまいして空いた墓所を、幾つかに分割して抽選で購入されているケースが殆どです。
周りをご覧になると、広い墓所にお墓が建てられています。
周りの墓石から、空いた墓所のどの辺りに、どちら向きに墓石が建っていたのか想像できます。
片づけられた墓石の下には、コンクリートの二段カロート(納骨室)が埋められていたはずです。
墓じまいの際に、ユンボでカロートを掘り起こして、大きな穴が空いた箇所を、土で埋め戻してあります。
基礎工事の為に、掘ると大抵の場合柔らかいです。
緩い可能性がある墓所では、予め厚めの基礎工事にして、追加で地盤改良出来る様に、採石を多めに準備をしてもらうようにしています。
私の会社では、若干強めの基礎工事や施工にしていますが、度の過ぎた品質は、お客さんに金銭的なご負担をかけるだけかと思います。
必要にして十分な強度を、出来るだけコストを抑えるのが、お客様の立場に立った物づくりです。
基礎の強さは、コンクリートの厚みだけではありません。
どれだけ強いコンクリートに、鉄筋を入れるのか?鉄筋はコンクリートが割れないために入れます。
適正な太さの鉄筋を、太さに合わせたピッチで組むことなのです。
尺基礎と言っても、30センチのコンクリート厚の石材店もあれば、25センチのコンクリート厚を尺基礎とする石材店もあります。
墓石の工事には建築基準法の様な物は、無いのです。
セメントの量を少なくして、砂利を沢山入れて、水を増やしたシャブコンで、安上がりの尺基礎にしても、意味はないのです。
基礎工事も、簡単にですがHPに掲載してあります。
手作りで作っているHPなので、分かりにくい箇所があれば、お気軽にメールやフリーダイヤルで、お問い合わせください。
追伸
中国では、2月8日から17日位まで春節でお休みです。
早くお休みを取る人は、1月から故郷に戻り始めています。
そのまま戻ってこない人もいます。
3月に従業員の取り合いをして、工場にスタッフや職人が揃うのは3月末です。
これが例年のパターンなのですが、今年はコロナの影響で、隔離される可能性もあり、工場もどうなるか?分からないので不安でいるようです。
インド材を初め、中国材やその他の石も、工場に潤沢に入っていません!今年も良質な石を選ぶのに、苦労をする予感です。
在庫が豊富にないためか、工場ごとに価格の差が出ています。
何よりも品質が第一だと思いますので、この時期はゆっくり墓石のご検討をされることをお勧めします。
中国工場が休みでも、国内工場や自社のCADは動いています。
墓地確認や建て上げの立ち合いは、不要不急では無いので、必ず伺いますので、お気軽にお申し付けください。