墓石の文字彫刻方法と特殊加工

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墓石加工の最後の工程が、文字彫刻や特殊加工です。

近年、文字の彫り方や特殊加工で、故人への想いを込められた墓石をつくられる事が、多くなりました。

デザインや石種が決まってから、最後に想いを込めて頂く工程が文字彫刻です。

彫刻する文字を、石材店に知らせて任せっきりにしないで、文字の字体や大きさを変えて頂くだけでも、墓石の印象が変わります。

さまざまな文字彫刻の方法や特殊加工を施すことで、お墓の印象や雰囲気が大きく変わり、更にオリジナル性の高い墓石をつくることが出来ます。

ここでは、色々な文字の彫刻方法や表面の加工・影彫りや象嵌等の特殊加工について、どの様な特徴があるのかをご説明します。

墓石の彫刻では書道と同じで、力が入る所は深く彫り、力を抜く所では浅く彫るように強弱をつけ、立体的に見せるのが、上手い彫刻だと言われています。

この彫刻の深い部分には、埃やごみが溜まり易く、汚れが取れにくい場合があります。

また、雨風が当たりにくいために、ハチが土を運んできて巣をつくり卵が産み付けられることもがありますが、お墓参りの時に、歯ブラシなどでお掃除して頂けば、綺麗になります。

今日では、墓石材の石目や色目で、浅彫りをしてペンキをいれたり、異なる彫刻の技法を組み合わせて、彫る方法が大変多くなりました。

サンドブラストの登場が、墓石の彫刻技術や技法を大きく進歩させました。

石材業者によって、彫り方の呼び方が違うことがあります。

彫刻方法を決める際には、写真やサンプルで確認しましょう。

彫り込み(通常彫り)

最もスタンダードな文字彫りで、墓石正面の大きな文字を彫るときによく使います。

筆を強く置く地点を深く彫り込むことで、力強くメリハリがきいた文字表現ができます。

サンドブラストが主流ですが、平彫りと呼ばれる手彫りもあります。

深く彫る時には上彫りと言います。

関西は関東より深い彫り方が好まれます。

墓石に名前を彫る時には、この彫りこみ技術が、多く使用されています。

線彫り

スジ彫りとも言いますが、細い線を彫ることです。

淵彫りともいいます。

イラストなどの彫刻に用いられることが多いですが、最近では、正面文字にも用いられるようになりました。

線彫りは、性質上、深みのある立体感を出す事は難しいです。

浮かし彫り

家紋や文字を磨き面として残し、周囲を彫って文字や家紋を浮き出すように表現できます。

多くは家紋の彫刻に用いられますが、近年、正面を含む文字にも使われるようになりました。

使用する石材や彫刻の細かさなどによっては、浮かし彫りに不向きな場合がありますので、ご注意ください。

二度彫り

文字の輪郭をスジ彫りして、内部を浅彫りして磨きをブラストします。

(輪郭部を垂直に彫り込む為、技術が必要です)

二度彫り角丸仕上げ

二度彫り後の文字内部のブラスト部分を丸くふっくらと仕上げます。

綺麗だけどどうやって彫るのかな?高いかも?

手間のかかる技法なので、国内での彫刻では追加料金がかかります。

海外加工での彫刻では、彫りこみと同じ料金ですから、追加料金はかかりません!

立体彫り


イラストなどを立体的に彫る技法です。

鎌倉彫りの様な花弁の表現が出来ます。

職人の手作業と、サンドブラストで立体的に仕上げるものがあり、サンドブラストによる加工では、比較的浅めの彫刻ですが、かなり精巧に施す事ができます。

お客様のご要望でガーベラの立体彫刻を致しました。

ガーベラは初めてで、彫刻工場にも資料がありませんでしたが、ネット上でお気に召した画像をお送り頂き、立体彫刻を施しました。

立体彫刻は、有料加工です。

大きさや彫刻の複雑具合で、加工料金が違いますので、金額の確認をしてもらうと良いでしょう。

お墓の文字のペンキ、金箔入れ


ご希望で24金の金箔を文字に入れた時の画像ですが、大変綺麗です。

(ペンキよりも金箔の方が、剥がれにくく長持ちします)

生前に戒名(法名)を授かった方は、お祝いの意味でお名前を朱色にされることがあります。

最近では、ペンキを入れない事も増えてきていますが、石目によって彫刻が見えにくい石材もありますので、墓地でご覧になるか、石材店にご相談になるのもいいでしょう。

サンドブラスト

サンドブラストの登場は、墓石の彫刻に大きな変化をもたらしました。

圧縮した空気と共に、研磨剤をコンプレッサーの圧力で吹き付けて墓石を削る工法です。

最近では、ゴムの粘着シートをコンピューターのゴム切り機でカットできるので、文字だけでなくイラストもサンドブラストで彫刻できます。

線の強弱や深さの調整などに優れ、イラスト、細かい模様などの複雑な彫刻を彫る際に利用されます。

イラストの箇所も竿石はもちろんですが、床面などの水平部分に彫刻することで、見た目の華やかさに加え、滑り止めとしての効果があります。

ここがポイント!

サンドブラストは、文字を彫る機械を使用して、文字の部分に特殊な砂を吹きかけ、ムラ無くきれいな文字が彫ることが出来ます。

現在、最も多く使われるのが、この彫刻方法です。

携帯用のサンドブラストの普及で、追加字彫りは殆どのケースで、現地彫りが可能です。

竿石を外して、工場に運ぶのは過去の話です。

手彫りが出来る職人さんは、現在殆ど残っていません!

高い料金をとられないようにしてくださいね!

追加彫刻は、ご一名様あたり3万円が目安です!

4~5万円の見積もりは高いです!

(更に、一度に複数名を追加彫刻する場合は、割り引いてもらいましょう)

地域で、白、黒、シルバー、ゴールド等、様々な色が入れられます。

ゴムの粘着シートの上からサンドブラストで砂を吹き付けて彫刻をしますが、シートをはがす前に、ペンキを吹き付けて色を入れます。

彫刻時のペンキ入れは、手間が掛かりませんので、追加料金はかかりません!

ビシャン加工

「ビシャン」と言う石工事用の特殊硬質合金の金槌で石材を叩き、平滑に仕上げます。

風合いが柔らかくなるため、年と共に風格を増すような仕上げ方法です。

デザインとして採用されるたり、雨や雪などで滑りやすい部分を滑りにくくするといった実用的な用途があります。

ピラミッド状の突起の並んだ金槌で叩きますが、40㎜x40㎜前後の面を目割りし、突起の数が、16・36・64・100の順で、数字が大きいほど、きめが細かいです。

粗い順に鬼ビシャン・八枚ビシャン・百枚ビシャンとも言います。

手作業で出来る技術者が少なく、技量が問われます。

現在では、コストを抑えるために、電動工具を使用しての加工が多くなりました。

小叩き仕上げ

ビシャン叩きした上を、さらに先の尖ったのみ(小タタキ用両刃)で、仕上げの方向を吟味しながら、細かな平行線の刻み目を付ける仕上げです。

一枚刃(この工具を両刃という)で石面を2mm前後の間隔で叩き、平たんにする大変手間のかかる仕上げです。

小叩き仕上げは、お墓を建てた時もきれいだけど、年々味わいを増すと言われ、上品な石面にこだわる方に好まれます。

代表的な表面加工のご説明をしましたが、この他にもバーナー仕上げ、サンダー仕上げなどがあります。

近年は機械によるビシャン、小叩き仕上げが出てきておりますが、お好みの石材に仕上げをしてもらったサンプルを作ってもらうといいでしょう!

イメージがわかりますよ!

影彫り

点刻とも言いますが、彫り師が専用のノミを打つ強弱で陰影を付けてゆく技法です。

写真で写した様なリアルな表現が出来ます。

黒御影のみの対応です。

着色することも可能です。(彫った石の部分が白くなるために、白やグレー系の石材では、目立ちません)

模様の一つ一つをノミでていねいに点刻をつけて、イラストを掘り出していきます。

細かい部分まではっきりと表現できて、まるで写真のような繊細な仕上がりになります。

残したい写真や風景を大変リアルに再現できますので、インテリアデザインの一部や記念プレートなどにも使われます。

石塔のワンポイント、花立て、水鉢に、花、ペット、風景写真などの影彫りをされるのが人気です。

影彫りの作業と完成品サンプルです。

この画像は、出来るだけ解像度の高い画像を送り、想い出の風景を影彫りさせていただきました。

写真を見ながら、ハンドメイドで点刻してもらうと、大変綺麗に出来上がります。

今日では、コストを抑えるために、一部電動のノミを使用することも出来る様になりましたが、やり直しの出来ませんので、熟練の技術が求められます。

電動ノミの影彫り作業風景

見本を見ながら、慎重に点刻されて行きます。

電動ノミ(ルーター)は、強弱で点刻の深さ大きさが変わりますので、印象が変わって来ます。

手ノミでも電動でも、やり直しが出来ませんので、熟練と根気が必要な作業です。

人物、動物、風景等、写真が有れば、おつくりすることが出来ます。

費用は大きさでも違いますが、人間や動物の数で変わりますから、その都度お見積もりをしなけれなりません!

例えば、同窓会の写真等を影彫りすると、大変高額になってしまいます。

予め石材店に費用の相談をして、影彫り工賃の問い合わせをしてもらうと良いでしょう。

手ノミも電動も価格に大きな差はありませんが、熟練者の手彫りの方が、細かい作業に適しているようです。

象嵌彫刻

石に別の石をはめ込んで行く、大変手間のかかる高度な技法です。

墓石に文字を埋め込む事も綺麗ですが、象嵌と言えば、何と言っても、絵を書く様なイメージにも見える絵柄です。

故人が好きだった花の柄を象嵌技法で描き、変わらない感謝の気持ちを表現できます。

はめ込む石のパーツを少しずつ削って行く気の遠くなる作業です。


従来の彫刻とは違い、色の鮮やかさと立体感を出す事ができます。

もともと自然の色が付いている、石と石を繋ぎ合わせる技法です。

色を塗らないわけですから、色落ちしません!

雨風にさらされても、加工部分が削られても、色落ちすることはありません。

象嵌は、石その物の色で表現しますので、現存する石の色に限られます。

細目の黒御影に他の色の石をはめ込むと大変綺麗です。

墓石の文字だけでなく、花や鳥等も表現できます。

墓石にカラーで絵を書く様なイメージにも見えます。

現在では曲面にも象嵌加工を施すことが可能になりました。

大きさや使用する石材、デザインで加工代金が変わりますので、その都度お見積りになります。

はめ込んだ個所の接着力を上げるために、当社はボンドも日本製を使用しています。

ボンドが染み出す危険を訴える業者もいますが、殆どありません!

ボンド代だけの事ですから、僅か何百円の加工料を削ると、事故が起きやすくなります。

象嵌は、石その物の色で表現しますので、現存する石の色に限られます。

既に出来上がったサンプルで、ご希望の出来上がりイメージを想像して頂いております。

ご希望の象嵌が、初めておつくりする様な場合は、見本をおつくりすることで、イメージに近い物を選んで頂いております。

サンプルの石種を変えておつくりしました。

彫刻は彫ってしまうとやり直しが出来ませんから、後々後悔の無い様に、手間をかけてご提案しています。

オリジナル立体彫刻

大型のゾウの彫刻が、何人かの職人の手で、みるみる出来上がって行きます。

何度も作った経験があるんでしょうが、図面も見ないで、ドンドン削って行く光景は圧巻です。

またお家のペットも写真を送れば、彫刻してくれます。

墓所の中に、ペットの石像がよく置いてあるのをご覧になったことが有りませんか?

既製では無く、オリジナルの彫刻は如何でしょうか?

可愛かったあの子の写真を色々な角度で送ってください。

専門の彫刻士が、画像を見ながらおつくりいたします。

ワンちゃんは、ワンちゃんだけを作り続けている職人がいるのです。

特殊加工も、墓石の制作時であれば、単独で注文するより安く出来ます。

物流費や通関費用に大きな差はありませんので、使用した石の代金と彫刻手数料の金額です。

「思ったより安いのね!」と、みなさんおっしゃいます。

お見積もり時に遠慮なくお尋ねください!

フリーダイヤル:0120-953-574

メールアドレス:mail@kashiko-ohaka.com

LINE:電話番号検索(058-322-9888)株式会社かしこ

まで、ご連絡くださいね!