お墓の構造と、各部の名称

grave structure

(最終更新日)

難しそうな言葉ですが、お墓づくりには最も重要な部分の一つです。

施工実績をご覧になっても、出来上がったお墓では、外から見えなくなっていて確認が出来ません!

必要な石材の使用量が削られ、施工上で必要な手間と資材が使用されていなくては、幾ら頑丈な石を使用しても、意味がありません!

残念ながら建築基準法の様な法律はないので、必要な箇所の確認をして、任せっきりにしない方が無難です。

ここでは、「こういう作りになっているのか?」だけでもいいので、少しだけ知ってください。

石材店の展示場で、知ったかぶりの素人営業マンが説明するくらいに、簡単にしておきました。

このページの目次

お墓の構造

お墓の構造で、最も大切な箇所が、カロートです。

画像は、土に還っていただくタイプのお墓の断面です。

カロート(納骨室又は納骨棺)は、遺骨を埋葬する場所であり、安置する場所です。

カロートの語源は日本語で、「カラウド」(漢字で唐櫃)で、「死者を葬る棺」という意味で、墓石の下にある、遺骨を納めるところを指します。

古いお墓は、土葬だったためにカロートはありません!

火葬が主流になってから、カロートがつくられるようになりました。

従来は、石と石の空間が利用されていたり、コンクリートで作られていましたが、近年では頑丈で美しい御影石で施工される方が増えて来ました。

最も大切な箇所ですから、石材店に任せっきりにしないで、どんな構造で設計されているのかを確認しましょう。

納骨の形式は、地域でそれぞれ大きく違います。

骨壺で納骨する地域と土に還す納骨方法の地域では、お墓の作り方(構造)が、全く違います。

全骨を収骨する地域、一部を収骨する地域で、ご遺骨の量が変わります。

つまり、骨壺の大きさが違ってきますから、カロート内の広さも変わって来ます。

その為、巨大なカロートや、基礎コンクリートと一体化しているカロートなど、様々な方法で、カロートがつくられています。

地下カロート

骨壷を納める場所が、GL(グランドライン)より下、つまり地下にある形式のカロートです。

地下に安置するという安心感があり、収納部分が地下に収まる分、高さが低くつくることが可能で、欧風のシンプルな作りにすることができます。

開け方には、花立てや香炉の下の蓋を開けるタイプと、花立て香炉の後ろに穴が開いていて、花立てや香炉をずらすと納骨ができるタイプがあります。

更に骨壺のまま安置する納骨形式と、土に還っていただく納骨形式に分けられます。

地下カロートでおつくりするお墓のデザインは、威圧感のない安心できる高さでおつくり出来ます。

しかしカロート内がどうしても、湿気が強くなってしまい、場所によっては、一時的に周りから水が流れ込んでしまう事があります。

結露も防ぐことは難しいですね!

コーキングも10年ぐらい経過してから、徐々に劣化してきますから、完全防水は不可能です。

墓地で、地形や水はけの確認をして、GL(グランドライト)より上のカロートをお薦めしています。

特に粘土質の地盤の場合、いつまでも水が抜けなくて、溜まったままになります。

雨上がりのお墓じまいで、お骨が水に浮かんでいる時などは、気の毒で仕方がありません!

土に還っていただくタイプのお墓

関西方面での納骨方法の多くは、骨壺の状態で納骨するのではなく、サラシの布でこしらえた骨袋(又は半紙等で合成繊維は用いません)に、お骨を移し替えて納めます。

この地域では、土に還っていただくタイプの納骨形式が一般的です。

宗旨・宗派やご家族のご希望で、骨壺のまま納めることもあります。

墓石の外観を同じでおつくりした場合、納骨室内に骨壺を安置できる石板をおつくりしています。

大きな骨壺(6寸以上)の場合は、納骨口の形状を変えておつくりします。

(このタイプの納骨形式でも、GLより上にカロートをおつくりすることは可能です)

納骨室がつくってあるお墓と、つくって無いお墓の画像です。

納骨室が作ってあるお墓

納骨室がないお墓

「こんなに狭かったら、主人が可哀そう!私や子供たちは、入らないじゃないの?」

「奥さん!まだ川砂が入っているだけいいですよ!先日納骨のお手伝いに行きましたが、納骨室が採石で、以前のお骨が殆ど流れてしまって、無くなっていたことも、ありましたね!」

実は、早く両親を亡くした私が20代で建てたお墓は、納骨室のつくっていないお墓でした。

石材店に任せっきりで、何処から納骨するのかなんて、考えた事もありませんでしたからね!

もちろん安置する場所なんて、解るはずがありません!

お引渡しも、説明も受けませんでした!

もちろん!お墓の形や構造に決まりも無く、建築基準法の様な物もありません!

私も、この仕事を始めて無ければ、わからないままでした。

納骨室は、故人の遺骨を安置する一番大切な箇所です。

何処から納骨して、どれくらいの広さがあるのかは、必ず確認してください。

こう作らなければならないと言う決まりも無く、見えない部分なので、つくらなければ安上がりで済んでしまいます!

安上がりのコンクリートや大谷石などでは無く、御影石でつくってもらいましょう。

ご遺骨が、崩れたコンクリートと混ざっては、お気の毒です。

骨壺のまま安置するタイプのお墓

火葬場で焼骨を拾う量が地域で違うので、骨壺の大きさが違います。

将来的に、収蔵しておきたい骨壺の数と大きさを打ち合わせして、お墓の設計をしてもらいましょう。

GL(グランドライン)より下に骨壺のまま納骨する場合は、水はけがいい条件の墓地がいいでしょう。

また骨壺は、水につからなくても、空気中の水分を吸収して、骨壺の上部まで水になってしまうことが多いです。(骨壺での納骨形式は、結露の対策が必要です)

最近では、骨壺の下部に穴を開けたタイプが販売されています。

既に納骨されたご遺骨の骨壺を、新しい骨壺と入れ替えて差し上げるのも良いでしょう。

半地下カロート

地上カロート型の墓石ですが、納骨室(カロート)の一部で土のままのスペースをつくったタイプです。

カロート内の画像です。

この方法だと、納骨室が一杯なった場合、古い遺骨を骨壷から出して、土のままのスペースにまくことで、土に還っていただく事ができます。

霊園によって規定が違いますが、地上カロートの納骨室をつくる場合、隣との境界から50センチ離す等の規定があり、納骨室が狭くなってしまう事がありますが、半地下カロートだと、境界ギリギリまでカロートをつくる許可が出ることが多いです。

半地下カロートでは、遺骨が増えて、骨壺を置くスペースが無くなってしまう事を、心配をする必要がありません!

この世に生をうけ、自然や大地に育てられ、また大地に還って行くという仏教本来の考え方からすると、土に還って頂くのが、本来の納骨の仕方かも知れません!

地上カロート(丘カロート)

地下カロートに対して、地上部にカロートを設けるタイプのお墓です。

墓地の広さや奥行きがとれない場合や、地下水が出るような水はけの悪い場所におすすめです。

地下カロートタイプに比べて、1平米以下の墓地でも立派に作ることが可能です。

空気孔などを設ければ風通しがよく、水が抜けていくような構造におつくり出来るのが、一番のメリットです。

地下カロートに比べて、墓石の背が高くなるので、大変高級感があります。

カロートの入り口が、観音開きや当て蓋、落し蓋になっていて納骨がしやすい形式になっていますが、観音開きの場合には、永く開け閉めをしていると、破損する危険もありますので、取り扱いには注意が必要です。

墓石の背が高くなるために、低い墓石に比べて、耐震性が心配になります。

耐震施工はもちろんですが、耐震構造にすると、更に安心です。

重たい部分を支える部位の強度が重要ですが、石材の使用量が増えますので、予算とデザインと強度のバランスの取れた企画を提案してもらいましょう。

近年、地震対策も含めて、背の低い墓石でも、カロートを地上におつくり出来るデザインのご要望が増えました。

注意!

出来上がると見えなくなる内部の構造で、強度無視して部材を削った墓石が出回っています。

2センチ~5センチの厚みでつくれる部材は、張り石ぐらいです。

墓石を支える部材の厚みは、最低限8センチは必要だと考えます。

石材使用量を抑えて安く売るための構造ですが、強度を無視した販売競争の弊害です。

ご注意ください!

同抜き型(くり抜き型)カロート

見上げるほど大きい富山県の笠墓のカロート部分です。

納骨室部分の壁を、板石や柱でつくるのではなく、一つの石をくり抜いてつくります。

もちろん上(天板)も下(根太)も一つの石でつくります。

天板

根太

カロート

この構造は、間違いなく強いです。

大きくて背の高い墓石をおつくりになる場合や、耐震にこだわる方には、おススメです。

大きい!

水も入りにくく、究極の耐震構造だと思いますが、デメリットとしては、くり抜いた部分の石材部分も料金に含まれますから、石材使用量が多くて、高額になります。

ノミを使って、石を斫りながら作りますから、大きく空いている部分で、別の部材をつくる事が出来ないからです。

(このタイプの部材は、加工でブレが出てしまうと、施工の段階で修正することは難しいです。精密な加工精度が要求されますから、経験と技術のある工場しか作れません)

カロート部分も胴抜き(一つの石をくり抜いた加工)は頑丈ですが、石のロス分が大変多くなります。

根元部分だけでも、一つの石でおつくりになれば、かなり頑丈なつくりになります。

上に乗せる墓石大きさや、ご予算に合わせておつくりになると良いでしょう。

ここがポイント!

難しく考えなくても、遺骨の埋葬形態は、骨壺にするのか?土に還すか?今後も何人ぐらいの埋葬が必要になるか?を考えればいいと言うことです。

カロートには棚があり、複数の骨壷が納めることができるようになっていますが、もし納骨する骨壷の数が、カロートのスペースに収まりきらなくなった場合、半地下カロートにしておけば、骨壷から遺骨を取り出して、カロートの下の土の部分に埋葬したり、出来る様に出来ます。

墓石の各部の名称

1.棹石(さおいし)

棹石

ご先祖様の魂が宿る最も重要な場所とされ、〇〇家や南無阿弥陀仏などの彫刻が施される、お墓の一番上に位置する石のことです。

棹石(さおいし)・佛石(ほとけいし)・天石(てんいし)・軸石(軸石)ともいいます。

「お題目」「先祖代々之墓」「○○家之墓」等の文字が刻まれます。

竿石の横幅で寸法を表し、約24cmなら8寸といい、一寸きざみで、9寸、尺、尺一寸と石碑の大きさを表します。

棹石は「天地人の天」を表していると言われています。

神道の場合は、この竿石部分の頂点を三角に加工しますが、これを「トキン型」と呼びます。

洋型でも、一番上の部分は同じく「竿石」と言います。

2.上台(じょうだい・うわだい)

上台

竿石をのせる台で、「天・人・地」の「人」を表しているため、人石ともいい、建立者の名前を刻んだり、正面に家紋や蓮華を刻むこともあります。

事業、動産を表しているとも言われています。

3.中台(ちゅうだい・なかだい)

中台

上台の下にあり、竿石、上台と合わせてお釈迦様の座像をかたどっていると言われます。

「天・人・地」の「地」を表し、芝台を作らない場合、この部分を下台と呼ぶこともあります。

財産、不動産を表しているとも言われています。

上水鉢や花台と一体になっている形もあり、中台には正面中央に納骨する為の穴(骨穴)が開いている場合もありますが、通常は香炉等で骨穴を塞いであります。

4.芝台(しばだい)

四ツ石

お墓本体の一番下の台座となる部分の石で、下台(げだい)ともいわれ、四つの石で作られる芝台を四ツ石と呼びます。

納骨室(カロート)の保護の役目があり、香炉、花立ての置き台となります。

5.供物台(くもつだい)

供物台

お墓の手前部分で、ご先祖様にお供え物を置くための台です。

故人の好物だったものなどをお供えします。

芝台の手前に設置する大きくて立派なタイプと、お線香を置くための香炉と一体になっている供物台付き香炉があり、シンプルで無駄のない供物台付き香炉が増えて来ています。

6.花立(はなたて)

花立て

お仏花をお供えするためのものですが、真ん中に水鉢を置く形もあります。

ステンレスなど取り外しの出来る物が増えてきていて、花の入れ替えが便利にできます。

7.水鉢(みずばち)

水鉢

水をお供えするところで、棹石の手前にある石の一部のくぼみとして作られていたり、上台の前に作られることが多いです。

仏様は水とお香のみがご馳走とされていますので、いつもお水を絶やさず、なるべく頻繁にお香をさしあげてください。

宗派によっては水鉢がない場合があります。

水鉢には「家紋」等を刻むことが多いです。

8.香炉(こうろ)

供物台

線香をお供えする為に使用されますが、線香を建てる地域、寝かす地域、ロウソクを共に灯す地域、線香のみの地域等様々なお参りの風習があり、形も変わって来ます。

形状は四角い「角香炉」と、経机の形の「経机香炉」が、和墓では一般的ですが、近年洋墓、デザイン墓も多くつくられる事から、オリジナル形状の香炉が増えて来ています。

焼香は人間の悩みを乗り越えて「精進」する事を意味しています。

線香を立てるタイプのものは香立(こうたて)といいます。

お香をあげない神道では、香炉の代わりに八足台を配します。

9.墓誌(墓標)

墓誌

お墓に入っている故人の戒名や生年月日、没年、生前の経歴などを刻みます。

家の歴史などを後世に伝えるための記録です。

古いお墓には、故人の戒名を竿石の側面に刻まれてきました。最近では、墓誌(戒名板)をもうけ、戒名、没日、俗名等を彫刻されることが増えました。

香箱加工、水垂れ加工といった加工方法によっても雰囲気が変わります。

一般的にお墓の横に建てられますが、墓地が狭い場合に墓石の芝台の上に設置することもあります。

10.地蔵碑(じぞうひ)

地蔵碑

大地のごとく慈悲深く、縁なき衆生までも救済する菩薩として、日本中に地蔵信仰が広がりました。

子供の守り本尊として「あの世の親」となって幼い子供たちを慈しんで下さる菩薩です。

生後すぐに亡くなった子供などの供養のためにお墓にも建立されています。

観音様を祀られることもあります。

11.塔婆立て(とうばたて)

塔婆立て

五輪塔をさらに簡易化して一枚の板であらわしたものといわれています。

「塔婆」とは故人の供養のために、お墓の後ろや横に立てる木製の細長い板です。

その板塔婆を支える台が塔婆立です。

神道でも神標と呼ばれる板を立てる事があります。

浄土真宗では、塔婆供養は行いませんので塔婆立てはいりません。

石製の物やステンレス製の物があり、デザインも様々です。

11.納骨室(カロート)

sekikan

「納骨棺」とも呼ばれ、お墓に遺骨を納めるためのスペースです。

地上式、半地下式、地下式などがあります。

地域で納骨方法や焼骨の骨壺の大きさが違います。

コンクリートよりも石棺が堅牢で綺麗です。

水はけの悪い墓所では、地上カロート(地上納骨式)がお薦めです。

12.灯籠(とうろう)

灯篭

仏教では、暗闇(迷い)を破る灯明(依り所)という意味合いもあり、邪気を追い払い、仏の供養のために良いこととされています。

この灯篭は、墓前灯籠と言われて、お墓に設置されますが、実際に灯を灯すことはありません。

灯籠を置くことで、灯をともしているのと同じ功徳があると言われています。

大きさは灯篭の高さから3尺5寸と4尺が標準的ですが、外柵の門柱に乗せる置灯篭も多くなりました。

狭い場所でも置ける小型の風防付の石製灯籠が人気で、取り付ける方が増えました。

13.外柵(がいさく)

墓所全体を囲む石組みを外柵とか巻石と呼びます。

隣接する墓地と境界を区切るとともに、聖なる領域とを分ける結界として重要な意味を持ちます。

外柵には必ず入口を設け、石塔を守るよう柵を廻します。

簡素なものから、デザインにこだわった豪華なものまで、デザインは様々です。

近年、階段を上がるタイプの入り口では無く、墓所に入りやすいようなデザインが増えました。

境界のない芝生墓地などもあり、必ずしも設けなくてはならない物ではありません。

14.玉垣(たまがき)

玉垣

外柵の上に彫刻を施した外柵を玉垣と呼び、背の低い柵のような形状となっているものが多いです。

簡素なものから、デザインにこだわった豪華なものまで様々ですが、お墓のデザイン性を高める意味合いもあります。

15.つくばい

つくばい

置き石に窪地を作り水をためたもので、いわゆる手水鉢(チョウズバチ)です。

本来はお墓参りの前に手を洗い清めるものです。

最近は装飾品として置かれることもありますが、少なくなりました。

16.玉砂利(たまじゃり)

那智黒

那智黒

白砂利

白砂利

五色砂利

五色砂利

墓地の手入れをしないと雑草が生えやすく、また雨風によって石碑等に土が飛び散って汚れるのを防ぐために玉砂利が用いられます。

玉砂利を敷くと、生えた雑草も引き抜きやすくなりますが、生えなくしてしまうには、土の部分をコンクリートにして水抜きを作り、そのうえから玉砂利を敷けば草は生えません。

白い石は大変綺麗ですが、苔が生えることが有ります。

いろんな化粧砂利がありますので、デザインやお好みで選ぶことが出来ます。

17.拝石(はいせき)

排石

入口からお石塔へお参りする通路やお墓の前に敷く石で、飛び石、踏み石とも言います。

この上でお祈りをするので、拝み石とも言います。

この拝石の下に、お骨が納めることができる様にカロートを、おつくりすることがあります。

この場合の石を、納骨のためのフタ石と呼ぶ場合もあります。

18.蓮華(れんげ)・スリン

お墓の中で一番長い竿石の下にくる台座部分で、如来図などで仏様がお乗りになっている葉っぱの布団(座布団)を表します。

スリン型蓮華、上蓮華・上下蓮華などの様々な形があります。

蓮華

蓮(スイレン)が多産・命の創造・幸運・繁栄等の象徴とされた古代インドでは、蓮の花の上に立ち、蓮華の飾りをつけた女神様の事が記されています。

仏教誕生では、蓮華がお釈迦様の誕生を告げて花を開いたとされて、泥の池でもしっかりと根を張り、きれいな花を咲かせることから仏教のシンボルとして大切にされています。

さらにお釈迦様が蓮華台の上で瞑想されたとされていることから、お墓にも用いられるようになりました。

仏様が蓮華台に乗っているのは、仏様が悟りを開いているさまを表現しています。

地域で布団台・膳台(ふとんだい・ぜんだい)とも呼ばれます。

スリン

竿石のすぐ下の位置に、スリン(関西では、はさみ布団)石をつける場合もありますが、このスリンは蓮華を簡略化した物だという説が有力です。

蓮華の下にスリンを置く地域もあります。

19.天板(てんいた・てんばん)

地上納骨型のお墓では、納骨室の上に被さる部分です。

従来の天板は、複数の石を目地剤で接合する工法が多く用いられてきました。

新しく建てられたお墓でも、天板が2枚の石で継ぎ合わせてあったり、時には数枚の石で作られていることがあります。

これではコーキングの目地が無くなったり、老朽化で水が染みて、納骨室が水浸しになってしまいます。

上に重い墓石が乗りますので、厚みが必要な部材です。

ユニックのブームがとどかない墓所でも、カニクレーンの登場で、一枚石の重い天板でも据える事が可能になりました。

部材を運べないような難所では仕方がありませんが、1枚の石でおつくりになることをお薦めします。

20.物置台(ものおきだい)

墓参の際に、バッグなどの手荷物を一時的に置く台石で、かっては青石などの自然石を用いました。

近年下部に墓参清掃用具などを収納できるように工夫したり、休憩用のイスやベンチとして使う用途としておつくりになるケースが多くなっています。

21.門柱(もんちゅう)

親柱(おやばしら)とも呼ばれますが、外柵の一部でお墓の入り口につくります。

家紋や家名を彫刻したり、プレートをはめ込むことがありますが、お墓が豪華に見えます。

お墓の加工

お墓が出来上がるまでには様々な加工が用いられます。

シンプルに豪華に、イメージや予算に合わせて作ることが出来ます。

棹石上部の加工例

棹石の頭

棹石正面の加工例

額縁加工

墓石の加工方法の一種で、文字や模様などの彫刻の周りをふちどりし、額にはめたように高級に見せる加工です。

彫刻部分が強調され、上質な高級感を得られます。

上台中台の加工例

和型の石碑では、石碑の頭の形もお好みで選んでいただけます。

どの形を選んでいただいても、加工費用は同じです。

上台加工

縁取りの加工例

面取り加工

(面取り加工)

角を丸く面取りすることで、優しい印象をあたえるデザインになります。

汚れにくく掃除しやすいという機能的価値もありますのでお勧めです。

(銀杏面加工)

お墓の土台部分の角の部分に丸みを持たせる加工方法のひとつで、いちょうの葉っぱのような段のある凝った形にする加工。

デザイン的にも高級感を出しつつ、丸みを帯びさせることで角部分がより欠けにくくなるという利点があります。

(木瓜加工)

読み方は「もっこうかこう」です。

丸みを2つ重ねる加工です。

洋墓やデザイン墓石は、CADを使用して自由に作ることが出来ます。

イメージを伝えるだけで、図面や画像を作ってもらえます。

彫刻方法でデザインのイメージも変わりますので、墓石の文字彫刻方法と特殊加工をご覧ください。

和墓も洋墓もデザイン墓も全てフルオーダーで作られています。

墓石は石材店で見本を見るのではなく、一つ一つ想いを込めて、図面や墓地での出来上がりの画像合成で検討するのが、最も望ましいです。

何度の変更にも、嫌な顔をしないで短時間で親切に対応してくれる石材店でおつくりください。