お墓のゴマカシ加工とは?

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(最終更新日)

このお話をするにあたって、お話をしておきたいのが、ゴマカシ加工が行われる背景です。

日本では、今もなお続くデフレの影響で、より安いものが求められる傾向にあり、金額がわかりにくい墓石に消費者は、大幅値引きを要求し、相見積もりを取れば安くなると言う風潮です。

消費者から、値引きや相見積もりを言われた販売業者(石材店、仏壇店、葬儀社)は、仕入先の石材商社に値引きを要求します。

もちろん他の石材商社にも連絡をして、相見積もりだと伝えて、業者同士に価格競争をさせます。

「一番安い先で仕入れるから、御社も見積もり出してくれるかい?」

石材商社の担当営業マンも、ノルマがあるので、何とか注文を取りたい。

そこで、とにかく安く墓石の加工をしてくれる工場を探すわけです。

探すと言っても自分でノコノコ出かけませんから、中国の石材商社に連絡を取ります。

中国の商社だって、格安工場を探しても、安くつくるなんて限度ってものがあります。

限界超えたらゴマカシされても目をつぶるしかありません!

ここまでくると、「いい墓石を安く」では無くなり、「何処よりも安いです!」のスーパーマーケットのバーゲンセール状態で、「安いよ!安いよ!」と石材店同士の身勝手な販売競争で、「いい墓石」なんてフレーズは何処へやらです。

ここでは売れた墓石が、良い墓石なのです。

そもそも決まった値段がある訳でも無いのに、安く売りますもへったくれもありません!

「素人にどうせ分かりっこ無いんだから!」と、他社より安くつくることが、物づくりより優先してしまっています。

それでも利益を残さない石材店などいない訳ですから、終わりが無い原価を抑えるやり取りが、石材商社と続くわけです。

ゴマカシ加工は、こう言った、「安く欲しい!」「安く売っても儲けよう!」「売った後の事なんか知ったことか」と言った、限度を超えた要求が、意図的なゴマカシ加工が行われる理由だと思います。

石は採掘された時に、上質で大きなブロック程高額です。

安くつくりたい工場は、安くて小さな石の寄せ集めでつくりますから、石目や色合わせが出来ませんので、最初からゴマカスつもりで加工をします。

更に石は、自然に出来上がったものですから、キズや色むら、斑点などもあり、すべてが均一に整った石目・色目ではありません。

でも、お客様からすると、いくら自然のものといえど、キズや色ムラ、斑点などがあるのは、気分のいい物ではありません!

加工の最初の段階で、見つかれば良いのですが、面倒な加工をしていて、出来上がる寸前におかしな物が出てきたら涙物です。

原石から実際に墓石として使用できるのは、全体量の、約半分から8割程度です。

それでも高額な加工料をもらえる日本の職人さんや工場従業員さんは、月給で貰えます。

つまりお給料の金額は減らないと言う事です。

ところが中国では、どれだけ仕事が出来たかの歩合制なのです。

「キズが出たのは、僕のせいじゃないよー!」

加工賃は抑えられる!取りかえていたら納期遅れのペナルティー!ゴマカスシカ無いよね!になってしまうのです。

ゴマカシを10基つくって、8基の検査が通ればそれでいいと言う考え方です。

ゴマカシまくって作っておいて、みつかった箇所だけ取りかえればいいのです。

左右対称でなくても、気が付かなければOK!400番までの研磨でバフでも、艶さえ出ていれば、素人には分からないの世界です。

見つかって、クレームになった時だけ取り替えれば、その方が儲かるといった考え方が定着してしまい、ゴマカシが日常的に行われてしまっています。

安売りをしてい石材店が、安くする為のゴマカシをさせているケースもあります。

中国政府は、国民生活における協和社会の構築や、環境保護、省エネ政策を重視するようになり、インフレから賃金もドンドン上がってきているのに、安売り競争をしている石材店は、限りなく安くつくることを要求し、ゴマカシも見ないふりをして販売をしています。

騙そうとしている石材店が、“ゴマカシ加工”や“産地偽装”の話などするはずもありません!

「そんな事言ったら売れなくなるやろー!」の世界です。

「いま中国でもいいですよ!うちの工場なんか最高の工場ですからね!」

ウソをつけ!どんなところで作っていのかも知らないくせに!

以下の画像が、ゴマカシテあった箇所が、早ければ3ヵ月、遅い場合は2年ぐらいで。ゴマカシ箇所が出てきます。

ナデの画像

玉の画像

ナガレの画像

お分かりになりますか?完成時には無かったハズです!

元々キズ、ナガレ、玉があった石に、熱処理や薬品を使用し、キズや色ムラなどを隠し、着色をして墓石を仕上げるゴマカシ加工”が行なわれるから、年月が経つと出てきますね!

キズや色むらを隠すために、通常製品化できないものを製品化する着色料にはニトロベンゼンが含まれているそうです。

口にするものではありませんが、これは、肌からも吸収される怖い毒物です。

エピソード1

中国のホテルで、バイキング形式の朝食を食べていた時のことです。

日本人の営業かバイヤーなのでしょうが、テーブルの正面で電話をしていました。

石材名が会話で出てきます。

「エーッ!今週出荷の1791の和墓!正面なの?マズイナー!スグには出ない様にしてよ!トラブらない様に、頼むよ!」

この会話の説明をすると、(黒龍江省産出の通称黒龍石として販売されている石の今週出荷予定の和墓の正面にナデが出た連絡が来ました。お墓を建て終わって、お金をもらって、納骨が済んでしまえば、まずつくり直せとは言われないから、しばらく分からないようにしてくれ!)が話の内容です。

仮にクレームが入っても「自然の物ですから、これくらいは~」が決まり文句です。

中には「良い物が浮かんできましたね!これは良い石の証拠ですよ!」なんて話も聞いたことがあります。

全くとんでもない奴だなー!と思いましたが、安売り

競争をしている石材商社では、日常茶飯事かもしれませんね!

エピソード2

新規工場の開拓をしていた時のことです。

石目のある石を使った墓石をみて、「これは石目が違うんで、つくった時に色が変わってみえるので、僕の会社の検査は通りません!」と言ったら、バーナーを取り出してきて焼き始めました。

「今回はいい石ではありませんでしたから、次回からはいい石を使うので仕事をください!」というんです。

次回なんかある訳ないやろー!

「こんな墓石引き取れるか!作り直せ!」

殆どケンカ腰のもの言いに、シブシブ作り直すと言いましたが、ここで譲ったらそれまでです。

海外で日本の商取引の常識は通じません!

次回いい商品のあがる事は絶対ないのです。

作り直させて二度と仕事は出しません!

現場に行かないで、いい墓石が出来るはずがありません!

方向性のある石を縦横変えるなんて、物づくりの方向性を変えんかい!

エピソード3

これも新規工場を訪問の時ですが、工場の入り口に艶の無い黒御影の墓石があるでは無いですか!

よく見ると何やら塗ってあるのに気が付き「这是什么?(これは何ですか?)」と尋ねると

「お客様の要望で塗っています。YKD(インド黒御影の一つ)は、白い点がありますから」と返事が返ってきました。

YKDは若干白いですが、磨けば綺麗です。

塗らなければならない様な粗悪品の石を使うから誤魔化さなくてはなりません!

時間の無駄なので、トットと帰りました。

その時の画像です。

原価を詰め過ぎると安い石を使い、キズやナデをゴマカシ、自然の石に着色することになります。

でもさせているのは、石材店や石材商社です。

石が割れても、責任を取らない業者はゴロゴロいます。

お客さんは、同じ物なら安い方がいいに決まっています。

それは同じ物だったらの話です!

焼いたりペイントしたり、薬漬けの墓石だとわかっていたら、だれも買いません!

建築耐震偽装、食品偽装、産地偽装、みなさん儲けるためには何でもありです。

特に墓石なんか、建築基準法や、食品衛生法の様な取り締まる法律が無いんですからね!

幸運にも、今お願いしている工場は、ゴマカシ無しで加工してくれていますが、定期的に基準を検品員に伝えに行きます。

部材の精度、歪み、キズやナガレの基準、触ってみないと分からない加工の丁寧さ等がよくわかります。

複雑な加工の磨き等は、角度を変えたり触ってみないとわかりません!

現在では、メールで画像を送ってくれますので、大変便利になりました。

ただ磨きや加工の丁寧さは、直接現地に行って、直接触って分かるのです。

自分で触れて、相手に触れさせて、伝える以上のコミュニケーションは無いのです。

画像は竿石の正面の検品です!この部分は特に神経を使います!

この石でこの大きさは、かわし切れないと納得できないと通しません。

一番目立つ場所に、後々変な物が出て来るのは嫌な物です。

検査の基準を伝えて、幾らでつくってくれるのか?と言う事です。

ここでは日本式のこの位は理解してくれるはずだ!なんて考えは通じません!

120%伝えても足りないくらいです。

彼らはハッキリしていますので、やってくれるのか?出来ないのか?です。

出来なければ、他に行くだけなのです。

竿の正面は、私の親指で隠れなければ、作り直しです。

自然の石には、どこかしらに入っています!

悪いものでは無いのですが、竿石の正面(仏石の正面)は最も目立つ面です。

私は、必ず施工にも立ち会うようにしていますが、提携石材店の施工技術を疑っているのではありません!

それどころか絶対の信頼を持っています。

施工の職人さんの少しでもやりやすい様、加工完成度を工場に伝える為です。

日本でも海外でも伝える事が、いい物づくりの基本では無いでしょうか?

お墓は「高ければ良い」というものではありませんが、他の商品と同じく、極端に安すぎるものに良いものはあまりありません!

最初から安く売るためにつくった商品が、いい物であるはずが、ありません!

中国やインドは、日本でつくるよりは、まだまだ安くつくれますが、いい素材(石)を使い、技術力の高い工場と取引し、ゴマカシを一切行わずにお墓をつくるには、中国でもそんなに安くはつくれません!

難しい検査の基準だと、さぞかし高いでしょうねって!そんな事無いですよ!

確かに商社より高額の加工料を払っていますが、ゴマカシテ後から何か出て来るような加工をされる位なら、手間賃や石の歩留まり分位は微々たるものです。

中国商社に20%、日本の商社に20%も、利益を中抜きされる事を考えたら安く仕入れは出来ています。

中抜きされない分、石質に拘り、加工に拘った対価を払えば、良い商品が作れます。

丸投げで加工をしていて、左うちわしながら、ガッツリ儲けたいなんて考えるから高くなるのです。

同業者からは、煙たがられていますが、高そうだと思われないように、価格表をおつくりしました。

お気軽にお見積もりのご連絡ください!

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