お墓のごまかし加工とは?

STONE STORY

石材店で、”ごまかし加工”や”産地偽装”の、話をしてくれる店はほとんど無いと思います。

「中国のお墓づくりの技術も良くなっている」、「お墓のほとんどが中国加工なので心配いらない」「日本でつくったら、高い人件費で高い墓石を買うだけです」などと聞かされると、「中国産でもいいや!」と、何の疑いも無く、買ってしまう方も多いのでは無いでしょうか?

ウソは言っていませんが、正直に全てを説明しないことで、誤解をしやすいごまかしの表現だと思います。

もちろん中国加工が始まってから時間もたちましたから日本の職人に負けない技術者はいます。

ただ、中国でも近代化進み、若い労働者の確保が出来ずに年々技術者は、減る一方で、能力のある職人の確保に工場は必至です。

いい墓石をつくることが出来る工場は確実に減っています。

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加工の多くは中国ですが、国内加工はもちろんありますし、インド、ベトナムでの生産も始まっています。

日本人の人件費は、もちろん中国よりは高いですが、それだけではありません。

石の綺麗な部分、マグロで表現したら、トロと中トロで握って、赤身を使わない位のこだわりで加工してくれていることを言わないと不公平だと思います。

石は、自然の大地から採掘されます。

自然に出来上がったものですから、キズや色むら、斑点などもあり、すべてが均一に整った石目・色目ではありません。

原石から実際に墓石として使用できるのは、全体量の、約半分から8割程度です。

香川県庵治町の庵治石では極上細目の最高級墓石として市場に出されるのは、全体の約5%にも満たないとも言われています。

日本では、石職人が、綺麗な石目・色目の部分だけを選り分けてお墓づくりをしてきました。

大きな石材から何基も取れないから高価でしたが、安くつくる事を要求される中国では、何基もつくってしまいます。

安くつくる事を要求しているのは、日本の石材商社なのです。

お客様がとにかく安い墓石が欲しいと石材店に相見積もりを取らせて石材店は石材店で仕事が欲しいので、何社もの石材商社に見積もり依頼を出し、石材商社の営業マンは、自分の予算の為に、仕入れ担当者に安い墓石をつくらせるように要求をする図式です。

安く売っても、多くの利益を追求しようと考える売り手側は、本来ならば使わないような石に、熱処理や薬品を使用し、キズや色ムラなどを隠し、染料で着色を施し製品に仕上げるなど、様々な”ごまかし加工”に目を瞑るようになっていきました。

日本の銘石である「庵治石(香川県産)」や「大島石(愛媛県産)」に見た目が似ているからという理由でだけで、中国で採掘された石に、「中国庵治」や「中国大島」といった名前を付けて、高級感をイメージさせて販売されています。

河北山崎などは、日本の山崎と色も石目も全く違います。

建築耐震偽装事件や数多くの食品偽装事件の様なものです。

しかし、墓石業界には、「建築基準法」や、「食品衛生法」のような規定法律が無いため、当たり前のように、やりたい放題のごまかし加工を行っているところも決して少なくありません。

ごまかしは、安く上げさせる為もそうですが、賃金体系にも原因があります。

石は、天然のものゆえに、キズやナデ(帯状の色ムラ)、タマ(斑点)等があります。

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日本では、出来る限りそれらを避けながら加工してくれ、かなり加工してからでもタマが出てきたら、新しい石材で取り直してくれます。

日本の石材加工工場で働いている石職人の場合、ほとんどの工場では毎月決まったお給料が支払われますが、中国の石材加工工場の多くは、歩合制です。

お墓が完成し、検査に合格して、初めて賃金となるのです。

そのため、熱処理、薬品、着色など、ありとあらゆる方法でごまかして納品してきます。

商社は、安く上げるために、墓石の加工工場から外柵工場へ、外柵工場から建築工場へ工賃の安い工場へ墓石の加工を依頼し始めています。

直線しか、カットしていない床材の隣で墓石の加工もしているのが、現状です。

小売店は、どんな処でつくっているかもしりません。

ただ、予算の少ないお客様の獲得に、安いところから仕入れると、石材商社をあおっているだけです。

お墓は「高ければ良い」というものではありませんが、他の商品と同じく、極端に安すぎるものに良いものはあまりありません

安く買っているのではなく、最初から安く売るためにつくった商品です。

日本でつくるよりは、まだまだ安くつくれますが、いい素材(石)を使い、技術力の高い工場と取引し、ごまかしを一切行わずにお墓をつくるには、中国でもそんなに安くはつくれません。