逆さごと (さかさごと)
葬送儀礼において、日常生活での作法とは逆の作法で物事を行うこと。
たとえば、死装束(しにしょうぞく)を左前にしたり、遺体の枕元に逆さ屏風をたてるなどがあります。
また湯銭のお湯は、水にお湯を注いでぬるくする「逆さ水」。
死者のふとんを天地逆さにする「逆さ布団」といった作法が残されています。
死を生者の領域から隔絶させるための演出というべきもので、それが「逆さ事」という形であらわされました。
この世と死者の住む世界では、物事が逆になっていると信じられていたことから、かつては夜に葬儀を行っていました。
あの世は昼間で明るくて迷わずに済むという理由から、葬儀は夜に行ったといいます。