刀自命 (とじのみこと)
神道には戒名はありませんが、同じような意味合いを持つもので、「諡(おくりな)」というものがあり死後には、この諡がつけられます。
神道では人はみな神の子であり、この世での役割を終えると神々の住まう世界へ帰り、子孫を見守ります。
そのため死後は家の守護神となる神道の考え方の中では、戒名は仏の弟子になることを認められた名前であるためにつかわれません。
諡は名前の後ろにつけられ、男性の場合は大人(うし)で領有・支配する人のことを指す言葉で男性に、女性の場合は刀自(とじ)で戸口を支配する者を指す言葉で女性につけます。
一般的に、大人には、大人命・刀自命、子供には、彦命(比古命:ひこのみこと)・姫命(比売命:ひめのみこと)をつけますが、もとは生死には関係なく用いられた尊称です。
墓での奥津城(おくつき)や位牌での霊璽(れいじ)に名前を刻むときには必ず諡を加えます。