お剃刀 (おかみそり)
葬式にさいして導師が死者に対し、戒を授けて髪を剃る儀で、帰敬式とも言います。
「お剃刀」の儀式は、本来は戒師が出家する者に戒を授けて髪を剃るものですが、この場合は在家の者が対象で、門主や管長が髪に剃刀をあてる真似をして仏門に帰依した証とする儀式です。
私達が佛さまの弟子となり、佛さまの教えを聞いて生きる者となることを明らかにするということです。
つまり、これまで生きてきた 自分とは違う、新しい自分が誕生することを意味します。
これは釈迦が太子であったとき、発心して城を出て仙人のところに行き、自ら利剣をもって、髪を切ったことに由来します。
帰敬式を受けると、新しく誕生した自分に名前が授けられます。
法名や戒名を「死者につける名前」だと思っている人が多いようですが、大きな勘違いです。
法名や戒名はあくまでも佛弟子としての名前です。
弟子と言い ましたが、お釈迦さまの一族の者となるということです。