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墓石の保証は必要ですが、石材店選びの基準の一つに過ぎません!

以前に、お墓のお世話をした施主さんから連絡があり

「傾いた墓石を起こして欲しいのだけれども」

「エ~ッ?傾いたのですか?」

「うちの墓じゃないよ!親戚の墓でね!儲からん話だけど、見てやってくれないかな?」

「そうですか?ありがとうございます」

内心、良かった~と思いましたよ!

工事内容がどうだったかな?と悪い頭で思い出そうとしましたからね!

お建てした墓石の、すぐ近くの墓所らしいので、会社の施工ファイルを確かめました。

確認すると基礎工事時に、若干水が浮いてきていましたので、念のためにパイルを打っておいた墓所でした。

ご都合を合わせて伺うと、すでにご親戚の方と一緒にお待ちでした。

正面から見ると、墓石の据えてある重い部分が沈んで、反対に正面の外柵が浮いてきています。

まだ倒れる様な傾きでは無いので、「すぐ直さなければならない程の傾きではありませんが、気になりますか?」

「お参りに来るたびに、ドンドン傾いているんで・・・?」

「地震でもあれば分かりませんが、何事も無ければ10年以上が大丈夫ですよ!シッカリ直そうとすると、墓石も外柵も取り除いて、基礎からやり直しするしかありませんから、費用がかかります。今日は、入り口部分の隙間だけをセメントで埋めておきますよ!見積もりをお出ししますので、ご覧になってから、ヤッパリ直したいという事であれば、修理させて頂きます」と申し上げて、業者さんのようにはいきませんが、隙間だけサービスで埋めて帰ろうとすると、このまま帰ってもらう訳にはいかないと、お二人に食事に誘われました。

お言葉に甘えて、近くのファミレスでランチをご馳走になりましたが、その際墓石の保証についての話になりました。

今回の墓石は建立されて7年目なので、おつくりになった石材店に、保証で直してもらえるか?と墓石を見てもらったら、保証の範囲外なので、有料だと言う返事だったようです。

面白くないので、直すにしても他で頼もうと相談して、私に連絡が来たようです。

「傾く様な事があったら、すぐ直しますと言っていたはずなのに、あの時の営業は辞めてしまっているし・・・地元じゃ昔からの大きな石材店なのですよ!」

「そ~ですか!墓石に会社のプレートが貼ってありましたので、何処の会社なのかは、すぐにわかりました。みなさん売りたい為に、保証が万能の様な販売をしてしまうんですよ!営業さんは、石のことも施工の事も素人だと想った方がいいです。

保証書ですが、あれは石が外的要因も無いのに破損をするとか、明らかに施工の欠陥があった場合の保証になっているはずです。墓地の地盤による原因は、保証の範囲外等の一文が入っていませんでしたか?」とお話をしました。

建築基準法の様に、仕様が決められていないお墓の施工で、何が欠陥なのか?自然の石の経年変化が早いか遅いかは、見解の相違で何とでも言い訳が出来る都合のいい言葉が、「自然の物ですから、これくらいは」なのです。

地元の石材店なら、信用を無くすのが怖いので安心だと考えがちですが、今までの商売にあぐらをかいて、変わろうとしていない石材店が大変多いです。

ジイさん3人で、昔話をして時間を過ごしてから「急いで直さなくても大丈夫なので、慌てないで考えてください」とお伝えして別れました。

お墓は、年数や期間に限らず、常識の範囲で問題があった場合は、保証の有る無しに関わらずに、真摯に対応すべきだと私は思います。

みなさん営業さんや石材店の店主に「絶対大丈夫ですから!」の一言で信用してしまいますが、自然の石や地盤では、絶対はありません!

地震の保険もありますが、そもそも値段のハッキリしていない墓石で、全損でも同じ墓石がつくれるとは限りません。

何割引きでお建てしますと言われても、どの金額から何割なのか分から無いものに、お金は使えませんよね!

HP上に石材店の選び方を掲載していますが、保証は必要とだけ書いて、内容については、触れていませんでしたので、大手含めた多くの石材店が使用している一般的な保証について少し書きます。

5年保証、10年保証、20年保証、50年保証についには永代保証なるものが出て来ていますが、考えられませんね!

株式会社の30年生存率が0.1%で1000分の1と言われて随分経ちますが、倒産してしまったら保証書は紙切れになります。

団体でダブル保証でも、これだけ大手の石材店が倒産しているのに、維持して行けるのかは、大変疑問です。

私の会社の保証書も、大手石材店何社かと同じ内容で、墓石に対して10年の保証を付けています。

私の会社では、加工から完成検査までの検品を何度もしていますので、石のトラブルは何年もありません。

石に問題があった場合5年間ぐらいで、出て来ると言われています。

石に関しては10年あれば大丈夫でしょう。

団体でのダブル保証もいいですが、墓石の販売価格が高ければ何もなりません。

ここで保証書の内容にふれますが、天災や外的要因は含まれないということです。

ご説明をすると動物や昆虫の糞、植物の樹液や花びら、ローソク、線香、塩、酒、菓子、海岸近くの塩害、鉄道や鉄工所の鉄粉等で、通常の雨風以外の要因は、保証の対象外になっています。

錆も何処まで保証してもらえるかの基準はありません。

墓地に行けば日本の石でさえいたるところで錆が浮いています。

「自然の物だからこれくらいわ」と必ず言われるでしょう。

自然の雨風で、ヒビでも入らない限り保証は無いと思います。

最初聞いた時には、にわかに信じられませんでしたが、割れても保証してもらえなかった話を、聞いたこともあります。

施工の保証ですが、現在の耐震施工がしっかりしてあれば、先に述べたような墓地地盤、造成の問題や、大きな天災が無い限りお墓が壊れることはありません。

ここまでご説明すると、抜け道だらけの保証書では意味が無いと思われる方もおいでになると思いますが、元々は、石、加工、構造、施工等のお墓づくりに拘った石材店が、お客様の安心や自分のつくったお墓への責任の証の様な物だったのかもしれませんが、今や猫も杓子も売るための手法として使われるようになって来ました。

保証は必要だと思いますが、付いていたから大丈夫では、決して無いのです。

石、加工、構造、施工の説明を親切にしてくれて、お墓づくりに真摯に取り組んでいる石材店を選びましょう。

ここでメンテナンス保証や、お墓掃除サービスにふれます。

「メンテナンスのサービスは、付いていた方がいいか?」と聞かれたら付いていた方がいいですが、それなりの施工がしてあれば、壊れることも無いので、コーキングの劣化ぐらいでしょうか?2年や3年で劣化するものではありませんから、頻繁に修理の必要のあるものでは無いです。

コーキング等はホームセンターで2000円もしない石材用のコーキングボンド、198円のコーキングガン、100円均一でマスキングテープとヘラを購入すればご自分でできます。

墓石の値段が同じで、サービスでやってくれるならいいですが、その分以上に墓石が高ければ魅力は無いです。

戒名(法名)の追加字彫りや納骨の手伝いは有料ですから、何処の石材店でもやってくれます。

最近では納骨室をコーキングでふさがないで、水返し、水抜き等の構造にすることで、石材店を呼んで費用を使わずにご自分で出来る様になってきています。

お掃除のサービスは、遠隔地やお仕事でお墓参りに行けない方だけが、利用されればいいと思います。

ご遺族が故人を偲んだり、感謝をしながら、お墓を磨かれるのが供養だと思います。

石屋が掃除するよりズ~ッとご先祖様は、喜んでいただけると思います。

少しだけいつものボヤキにお付き合いください!

最近では、お客様がネットで簡単な知識をお持ちなので、たずねられると「ナデやオビが出たら保証します。もちろん錆が出ても保証です」と何でもかんでも保証オジサンがいるようですが、あんなもの加工中に分かる訳ですから、取りかえてもらうだけです。

保証した分墓石が高くなったり、経年変化やナデやオビが浮いて来た時に、見解の相違が出なければいいのですがね!

先日などは、「保証書の内容でご希望があれば直します」なんて、他社は言っているとお客様から言われました。それが真実なのか、お客様の駆け引きなのかは分かりませんが、私は石屋なので、保証書の内容で、墓石が売れても嬉しく無いです。ただ売れればいいのでは無くて、お客様の本当に欲しい墓石をおつくりしたいです。

戒名(法名)の追加彫刻(名彫り)お墓の修理もその多くは、建てた石材店が分から無くて尋ねていらっしゃるお客様が多いです。

天災でも無ければ建てた石材店が分から無くなる年月が経過するのが理想的です。

一定の保証は必要ですが、保証は万能では無いので、全ての安心が買えるわけではありません!

石、加工、構造、施工の説明を丁寧に説明してくれて、お客さんの疑問や不安に正直に答えてくれる石材店を選びましょう。

お墓をつくると言うことは、施主さんの信頼はもちろんですが、大きな責任と表裏一体です。

保証の有る無しに関わらず逃げ徳を狙うのは許されないと思います。

石材店選びはこちらです。

情報ですが実は「クンナムの在庫が深刻になって来たので、現在の発注分までは約束します」との連絡が工場からありました。

7月の訪問時にはまだありましたので、安心していましたが、希少品になると一気に動くのがこの世界です。

インドの丁場の採掘許可が出ていないので、予測はしていましたが、想ったより早いです。

何処まで大丈夫なのか状況を確認してきます。

尚、このブログは予約でアップしていますので、この時点で帰国の途についていると思います。

帰ってからまたブログで報告しますね!

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